ハンドリングの秀逸さは特筆モノ

今回試乗できたのは最上級モデルとなる120iだけでしたが、BMW1シリーズは乗ってみるととても気持ちの良いクルマでした。素直なハンドリングや軽快感のあるフットワークはFR駆動のコンパクトカーならではのものでした。

まずエンジンですが、110kw/200N・mのパワー&トルクを発生します。これは可変バルブタイミング機構やバルブトロニックなど、各種エンジン制御を採用することによるものですが、4気筒2Lクラスの動力性能としては十分なものといえます。しかも良いのはパワー&トルクの数字ではなく、実際に走らせたときのエンジンフィールです。

アクセルワークに忠実なレスポンスを感じさせ、ペダルを踏み込むのに合わせてレッドゾーンの始まる6500回転までとても気持ち良く吹き上がります。全開にしたときばかりでなく、ハーフスロットルでのコントロール時にも、とても自然なトルク感が返ってくるのは、バルブトロニックを採用したBMWの最新エンジンならではといえるでしょう。

組み合わされる電子制御6速ATもとても滑らかな変速を示します。ATの状態で走っても満足のいく変速が得られますが、ステップトロニックによってマニュアル操作も可能です。このマニュアル操作時のレスポンスや変速フィールも良くできていて、ヨーロッパ車のATが本当に良くなったと感じさせました。6段のワイドなギア比を採用することもあって、時速100kmでのクルージング時の2000回転強といったレベル。2L車としては十分に低回転で、燃費や静粛性にも貢献しています。

シャシー性能の高さはさすがにBMWという印象を受けました。自然な感覚のステアリングフィールはFR車ならではのものといえますし、コンパクトカーには珍しい5リンクのサスペンションを採用したリヤサスは高い操縦安定性を発揮します。理想的な前後重量配分と合わせて、ワインディングなどで高い安心感を感じさせる足回りで、文字通り軽快なフットワークで駆け抜けていくことができます。

ただし、乗り心地はかなり硬めの印象です。試乗車にはスポーツパッケージが装着されていて、タイヤが17インチの50タイヤで、しかも全車ともランフラットタイヤという設定のためもあって、路面の継ぎ目や段差のあるところでは、ゴツゴツした感じを受けるシーンもありました。コーナーで感じさせる懐の深さも含めて考えると、積極的に評価すべき足回りだと思いますが、一人で乗ることを前提にした足回りのような印象です。