スローライフを目指した軽自動車
ムーヴ ラテはターボ仕様のRSと自然吸気仕様のXの2台に乗りました。ムーヴラテは女性ユーザーを意識した丸みを帯びた外観デザインやインテリア回りの可愛らしさなどが特徴です。ダイハツの関係者に言わせれば、女性ばかりを対象にしたのではなく、おおらかでゆとりのあるスローライフを意識したという趣旨のクルマなのだそうですが、このデザインのクルマを男性ユーザーに売り込むのはちょっと無理があり、ほとんどが女性ユーザーと考えていいでしょう。走りそのものもゆったりした印象です。RSは軽自動車のターボなので47kwのパワーを発生しますが、必ずしもパワー志向のエンジンということではなく、むしろ電子制御4速ATとの組み合わせによって滑らかな走りが得られるのが特徴です。足回りもかなり柔らかめの印象で、ロールなども大きめですが、乗り心地に優れたクルマという印象でした。
自然吸気エンジンのXになると、この傾向はさらに強まって市街地を中心にのんびり走るクルマという印象が強くなります。自然吸気エンジンでも43kwのパワーを発生していますので、動力性能の面ではなんの不満もありません。ATが電子制御式ではなく一般的な油圧式になるため、極めて優れた変速フィールを実現する電子制御ATに比べると、ややショックなどは大きくなりますが、これも不満ではなく、あくまでもデキの良い電子制御ATとの比較での話です。
Xは環境対策の面でも進んだエンジンが搭載されています。シリンダー内のイオンを検知して燃焼状態を測定し、点火時期を最適化して排気ガスのクリーン化を進める触媒早期活性化システムが採用されているからです。これによってLとX(Xリミテッドは重量によって対象外)には★★★★の超低排出ガス仕様のエンジンが搭載されています。燃費基準の達成と合わせてグリーン税制の対象となります。
スローライフというのはけっこう高邁な思想ですから、ムーヴラテが簡単にスローライフ志向のユーザーに受け入れられるとは限りませんが、そうした資質を備えたクルマであるのは確かでしょう。