このバリエーションの中からどれを選ぶかですが、初めて輸入車を買うユーザーなどなら、Eで十分のように思います。排気量の違いによる動力性能の差はありますが、2000ccでなくて1600ccを選んでも、十分に良く走るからです。オートライトやオートワイパー、オートエアコンなど、一部の豪華装備はなくなりますが、ATなどの仕様は2000ccと同じなのですから、これは積極的なお勧め車と考えても良いと思います。
当面は2000ccエンジンを搭載したグレードが良く売れるでしょう。GLiがラグジュアリー志向のモデルで、GTがスポーツ志向のモデルという位置づけになります。GTにはさらに本革シートを装着したレザーパッケージが設定されています。一般的にはGLiで良いのですが、ステアリングが革巻きではなくなるなど、ラグジュアリーグレードである割にはもう少し、という感じにさせられる部分があります。ただ、GTとの価格差はざっと20万円。これだけの価格差があると、GLiがお勧めグレードになるのは当然でしょう。
GTには専用のスポーティサスペンションが用意されていたり、あるいは16インチタイヤ&アルミホイールが装着されていたりするので、その分だけ価格が高くなっていますが、どうせGTを買うならいっそのことレザーパッケージまで選んでしまったら良いように思います。
最後にゴルフに試乗して気になった点をひとつ挙げておきます。これはアウディのA3ではより顕著に、ゴルフ・トゥーランでも少し出ていた症状ですが、走行状況によってエンジンのレスポンスが遅れることがある点です。直噴で希薄燃焼をするエンジンなのですが、そのリーンバーンの状態からアクセルを踏み込んだときなど、燃焼の切り替え時にレスポンスの遅れが出ます。これはATの制御との関係もあるのでしょうが、タイミングよっては踏んでも進まないという感じになります。これはもうひと工夫欲しいところです。