街中を行く人の視線が痛い・・と感じるほど、注目度が高かったHHR。
アメリカでホンダのエレメントやScionのxB(トヨタbB)を欲しがるようなユーザー層を狙ったこのクルマ。しかし実際発売されて見ると、米国ではPTクルーザーと比較されており、様々な意見が飛び交っている。
そんなわけで無意識にPTと比較しながら乗り比べてしまったが、正直、細部は本当によく似ている。顔つきをはじめ外観は違うが、丸を基調としたルーバーやラゲッジなど「あっ見たことある」という箇所が多くでてくる。
しかし後発の強みは大きい・・と思ったのは、細部の造り込みが良くできていて、逆を返すとPTでネガティブに感じる部分をHHRでは、クリアにしているのだ。たとえば後席シートを格納したときのサイズはHHRはとても広く、しかも床下収納もあるなど使い勝手をアップ。フロアも樹脂製だから汚れが拭き取りやすく実用性も高い。
さらに走りに関してもそうで、PTと同排気量の2.4lエンジンは、音の処理がうまく、HHRのほうがスムーズさをもっている。国産車の同排気量と比較したら、けして速くないのはどちらも一緒だけれど、スムーズな加速感、そして乗り心地の良さでいったらHHRに軍配があがる。
ただデザイン優先のHHRは視界は悪く、ちょっとした縁石も見えないので取り回しが大変。しかも車高が低くアゴ先をひっかけそうなので、細い路地や駐車場なんかでは、けっこう神経をすり減らす。このあたりはアメリカ車と割り切るしかないわけだ。
見た目よりはけっこう実用性のあるHHR。人とは違うクルマに乗りたいなら、ワゴン的にも使えるおもしろいクルマにはなっている。
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