ルノー/ルーテシア

ニュー・ルーテシアに乗る(3ページ目)

3月1日に正式発表される新型ルーテシアに、ひと足お先に試乗することができた。日産と共同開発のプラットフォームを使ったことで、評価の高かった走りはどう変わったのか?

執筆者:森口 将之



乗り心地は低速では、シートと同じように固めだが、50~60km/hぐらいでそれが消え、ルノーらしいしっとりしたストロークがメインに変わっていく。低速ではかなり軽かったステアリングも、このあたりでしっとりした重みが加わる。まさに焦点が合う、という感じだ。高速道路では乗り心地はフラット感がプラスされ、直進性は予想どおりバツグン。どこまでも走っていきたくなる気にさせるのは、ルノーそのものだ。



ハンドリングは、いままでのルノーとひと味違う。ステアリングを切った瞬間にクルマがスッとインを向いてくれるようになったのだ。ちょっとプジョーを思わせる動きだ。その後もフロントがふくらむそぶりはみせず、切ったとおりに曲がっていく。ステアリングを切る量が他のクルマより少ないと感じるほど。それでいて、荒れた路面でも飛び跳ねたりせず、すずしい顔して駆け抜けていける美点は旧型と同じ。持ち前の安定感に軽快感をプラスした感じだ。



デザインやハンドリングにはプジョーの影響を感じるし、低速でのステアリングフィールは違和感があるけれど、速度を上げたときのしっとりした乗り心地、安定しきった直進性とハンドリングはルノーそのものだ。走り込んでいくほど、ジワジワよさが伝わってくる。あいかわらず中身が濃く、奥が深い。実はこのクルマをひと晩借りたとき、最初は近所を走るだけのつもりだったのが、気がついたら東名高速で御殿場まで往復してしまった。そんな気にさせてしまうクルマなのだ。

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