ESPというメカニズムを知っているだろうか。エレクトロニック・スタビリティ・プログラムの略で、障害物を避けたりするために急ハンドルを切ったときに、タイヤがグリップを失って道路から飛び出したり、スピンしたりするのを防ぐ装置だ。多くのメーカーは、開発を行ったドイツのボッシュにならってESPと呼んでいるが、トヨタのVSC、日産のVDCのように違う名前をつけているところもある。



どのような作動をするかというと、まず急ハンドルを切っても車体がまっすぐ進もうとする(アンダーステア)ときには、内側の後輪に弱くブレーキをかけるとともに、エンジンのトルクを調節し、曲がる力を発生させる。逆にステアリングを切りすぎてリアが滑りそうになったとき(オーバーステア)は、外側前輪に弱くブレーキをかけ、エンジントルクを調節し、スピンを抑える力を発生させるというものだ。



メガーヌのESPもボッシュが開発したものだが、今までのESPがバージョン5.0~5.7だったのに対して、8.0と呼ばれる次世代型になっている。システムが小型軽量化されたほか、32bitマイクロコンピュータを採用したことで、制御がきめ細かくなっているという。日本で買えるクルマで、このESP8.0を搭載したのはメガーヌが初めてだ。

メガーヌのESPの特徴としてはもうひとつ、「アンダーステアコントロール(USC)」という機能がある。ルノーとボッシュが共同開発したこちらは、コーナリングのときのアンダーステアを抑えることにポイントを置いたメカニズムで、普通のESPの制御に加え、最大4輪にブレーキをかけることで速度を落とし、コーナーを曲がれるようにしたものだ。



その効果を実感してもらうために、ルノー・ジャポンでは試乗会をジムカーナコースで実施した。まず低μ路(滑りやすい路面)とダブルレーンチェンジでESPの効果を体験したあと、定常円旋回からの加速やJターン(直線加速のあとにUターンする)でUSCを試すというものだった。メガーヌのESPは、運転席のスイッチでオフにしても50km/h以上になると自動で復帰するので、試乗車は特別な改造を施して、それ以上の速度でもESPオフで走れるようにしてあった。