シトロエン/シトロエン

2CVで12時間耐久レースに挑む(4ページ目)

生まれて初めてレースに出た。いきなりの12時間耐久で、しかもマシンはシトロエン2CV。あまりにも無謀な挑戦の結果は……。

執筆者:森口 将之



クルマから降りたらドッと疲れが出た。とりあえずひと眠りしたあと、おなかが空いたので食べ物を口に入れ、また寝てと、ほとんどナマケモノ状態。対照的に2CVは、コツコツと与えられた任務をこなしている。他の人も4分ちょうどぐらいで走るようになり、「夢の3分台」(といっても他車より1分以上遅い)まで出るようになった。そうだよな、僕だけが速いなんておかしいもんなと思いつつ、心の中では自分も3分台を出してやると意気込んでいた。レースの魅力にすっかりハマっていたのだ。



2度目の出番が回ってきたのは午後4時頃。例の持病以外に問題はないようだ。僕は1回目とは全然違う気持ちでコースに出た。ストレートでの加速が、さっきより力強くなっている。エンジンにアタリがついたようだ。いける。ところが、コーナー出口の息つきがひどくなっている。燃料計を見ると空に近かった。タイムは4分ジャストがせいいっぱい。夢の3分台は、自分にとっては夢のままで終わった。色気を出すといいことがないということを思い知った。



2CVはその後も快調に走った。30分ごとのピットインでは、たまに給油をする以外はドライバー交代だけ。コースに出ればバンバン抜かれまくるくせに、ここだけはル・マン24時間のトップチームみたいだ。ところがBXは電気系が不調で、ずっとピットに居座ったまま。応援に来ていたお客さんのBXのパーツをコンバートしたりしたが、最後まで元気を取り戻すことはなかった。

  • 前のページへ
  • 1
  • 3
  • 4
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます