今回ルノーがセーフティプログラムを行ったのは、パリから40キロほど南にあるラルディという町にあるテクニカルセンター。この施設がオープンしたのは30年も前のことで、建物の外観は古さを感じさせるが、その分昔から安全に真剣にかかわってきたことを実感させる。プログラムはドーム型をした木造!の衝突実験棟を使って行われた。
ルノーが安全性を考えるようになったのはこれより早く、1954年のこと。医師とエンジニアが中心になって、人間工学や心理学の研究室が生まれた。60年には事故調査を開始。69年にはその研究室にプジョーやシトロエンなど他のフランスの自動車メーカーがかかわるようになり、LAB(事故分析・生体力学・人間行動研究所)という組織に発展した。
この日はLABのデータのうちのいくつかを教えてもらった。下は80~90年代製のクルマ(左)と98~2001年製のクルマの前面衝突事故での体の損傷部分の比較で、頭と胸の損傷が激減している。他にも側面・後面衝突での損傷部分などいろいろなデータがあり、とても参考になった。