新スポーツシャシーの妙味
ボルボというと、過去「R」の名のついたモデルは、850の時代から最近まで、ちょっとやりすぎかなと感じるものが多かったのですが、このC30のR-DESIGNについては、なかなか妙味だなと感じさせられました。
乗り心地はけっこう固めながら、ボディがしっかりしているので、不快な振動が残らない。また、ステアリングフィールが独特で、ボルボ車の多くは、ステアリングホイール径が大きい上、ギアレシオがスローで、ゆったりと乗ることをヨシとしたように思える味付けなのですが、このクルマは違います。レシオ自体はそれほど速くなく、中立付近は落ち着いているので、高速巡行ではリラックスして乗れながらも、レーンチェンジ等では切り始めからスッとノーズが向きを変えるという、カート感覚のクイックで一体感のある操縦性を楽しむことができるのです。また、限界性能も相当に高く、その走りはしっかり「スポーツカー」しています。
R-DESIGN専用のV-Flex/スムースレザー コンビネーションシート。2.0eでも選択可能。乗車定員は4名で、全員にフルサイズのセパレートシートを用意 |
C30について、せっかくボルボがCセグメント車を出すのだから、より個性的なクルマを目指したんだと思います。そのせいか実用性の面では割り切った部分もなくはありません。実用性を重視するのであれば、別の車種のほうが適するといえるでしょう。それよりもC30は、そこそこの実用性を備えつつ、C30ならではの特別感を身につけているところが持ち味といえるでしょう。
次ページで2.0e Aktivについて