リトラクタブルハードトップ採用
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ブッ飛んだデザインにより今でもあまり古さを感じないところですが、初代Z4がデビューしたのは2002年(日本では2003年)なので、もう7年も経っているんですよね。今回、最初は「Z4がもうモデルチェンジ?」と思ってしまいましたが……。
初代Z4は、当初はロードスターのみでしたが、ポルシェがケイマンをラインアップしたのに呼応するかのように、2006年にクーペを追加。このとき、どうせならSLKのようにリトラクタブルハードトップにすればいいのにと思ったりもしたのですが、そう簡単にもいかなかったようです。
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ただ、Z4のクーペのほうの販売はパッとせず、Z4全体の1割いくかいかないか程度だったとのこと。ケイマンがボクスターと並ぶ存在に成長したのとは対照的なのです。もっともZ4の場合は、クーペよりもロードスターのイメージがはるかに強いし、ロードスターの幌を閉じたスタイルがけっこう絵になるという事情もなくはないでしょう。そして、2代目Z4にはリトラクタブルハードトップが与えられた次第ですが、こうなることを望んでいた人も少なくないのではないかと思います。
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アルミ合金製ルーフは約20秒で開閉可能。複雑な開閉機構ゆえリスクを減らすためか、少しでも動いているときには開閉不可となっている |
実車を目の前にした第一印象は、予想したよりもボディパネルの面構成が複雑で、表情豊かなルックスに仕上がっているということ。ルーフを開けても閉めてもスタイリッシュで、現代的に洗練されたエクステリアを呈しています。ただ、Z4らしさは健在ではあるものの、初代にあったインパクトというか、あの独特のアクの強さが薄れたことで、心なしか「普通」っぽくなったように感じられなくもありません。
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また、ずいぶん大きくなったように見えたのですが、実際に全長が150mmも伸びています。それもリトラクタブルハードトップの格納やラゲッジルームの確保のためにリアセクションが延ばされたようで、いささか極端だったロングノーズ&ショートデッキのフォルムも、いくぶん緩和されているようです。それが好きだったりもしたのですが……。
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