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日常も非日常も最高に気持ちいい2代目Z4(2ページ目)

ロードスターとクーペの2本立てだったBMW Z4がモデルチェンジし、電動リトラクタブルハードトップが与えられ1本化された。持ち前の非日常に日常性が加味された2代目Z4は、さらに気持ちよく走れるクルマに成長。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

初代の不満点の解消を図った

有機的なデザインのインパネ中央に円形のスイッチが並ぶ。使いやすい最新のiDriveを装備し、8.8インチというスポーティモデルとしては異例の大きなサイズのモニターが備わる
ルーフを開けることも多いであろうクルマゆえ、乗員だけでなく周囲からも見える機会も少なくないコクピットもまた大きく洗練されています。クオリティ感は大幅に引き上げられ、レトロな雰囲気とモダンな機能が共存した独特のたたずまいは、これまたZ4らしさを感じさせる部分。これもライバルとは一味違うポイントといえるでしょう。

太いセンタートンネルにより、右ハンドル仕様では左足まわりに狭さを感じる点は相変わらず乗降性や、右ハンドル仕様のポジションが改善されたり(それでも若干不満はあるが……)、収納スペースが増えたり、シートの背後にちょっとした荷物を載せられるスペースが確保されたりしているところにも気づかされます。こうした、なんとなく初代で感じていた使い勝手の不満点が解消されているのも、2代目Z4に触れてナルホドと感心させられたポイントです。

35iには、シート表面の温度上昇を抑えるサン・リフレクティブ・テクノロジーを採用した「カンザス・レザー・インテリア」が標準装備
ラゲッジルーム容量は、オープン時180L、クローズ時310Lを確保。全面をファブリック処理2代目Z4には、「sDrive35i」(以下35i)の3L直噴ターボ+7速DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)と、「sDrive23i」(以下23i)の2.5L NA+6速ATの2タイプのパワートレインが用意されています。排気量とグレード名の数字が、どちらも合っていないところも面白いところですが、どちらもそれぞれよくできている中で、やはり絶対的な動力性能では35iの圧勝に違いありません。

当然ながら、ハードトップを閉じた状態でも、初代で幌を閉めた状態よりもはるかに視界がよいこともリトラクタブルハードトップ採用がもたらしたメリット
エンジンスペックは、35iが最高出力225kW(306ps)/5800rpm、最大トルク400Nm(40.8kgm)/1300~5000rpm、23iが最高出力150kW(204ps)/6300rpm、最大トルク250Nm(25.5kgm)/2750~3000rpmすでに現行3シリーズにも搭載されている同ユニットは、実用域では大排気量NAのようにリニアで扱いやすく、中~高回転域では極めてトルクフル。ターボのよい部分を活かしつつ、よろしくない部分を払拭したような印象です。これにDCTが組み合わされていて、珠玉のエンジンパフォーマンスの加速感を途切れさせることなく味わうことができます。

従来型の改良版となる2.5Lユニットも、これはこれで十分に満足できる味を持っています。低回転域から力感があり、トップエンドまで軽やかに吹き上がる様は、むしろこちらのほうが上と感じる面も。トルコンを介するATなのでシビアな部分もなく、普通に運転するぶんにはこちらのほうがイージードライブ。おそらく販売比率は25iが大幅に上回るはずですが、実際、「万人向け」といえるでしょう。


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