輸入車/注目の輸入車試乗レポート

アメリカンリアルスポーツの真髄コルベット

2005年に現行「C6」に移行したコルベットをひさびさにドライブ。筆者が幼い頃に憧れたアメリカンリアルスポーツカーの最新モデルは、現代的に洗練されていることを再認識した。今回はコンバーチブルをレポート。

岡本 幸一郎

執筆者:岡本 幸一郎

車ガイド

スーパースポーツカー界のアメリカの雄

価格はクーペのMTが713万円、ATが755万円で、コンバーチブル(ATのみ)が875万円、高性能モデルのZ06(MTのみ)が985万円

日本にスーパーカーブームが訪れた頃、筆者はまだ小学生でした。すでにブームと関係なくクルマに興味を持ち、自動車雑誌を読みあさっていた筆者は、友達から質問攻めされていたものです。ブームの主役というと、やはりフェラーリとカウンタックがダントツで、次いでポルシェやロータスだったわけですが、当時も個人的に非常に興味を持っていたのがコルベットでした。

当時の認識としては、1:スーパーカーのメッカはイタリア→2:しかし、アメリカにもこんなにカッコいいクルマがある!→3:ところが、排気量が大きいわりにエンジンスペックがイマイチ……、フェラーリやカウンタックが400馬力近いのに対して、当時のコルベットはたしか190馬力で、どうしてこうなんだろう?と、よく理解できずにいたものでした。

コルベット最大の魅力は、今も昔もこのスタイリングでしょう。当時のスティングレイの独特のロングノーズ&ショートデッキスタイル、大胆なくびれや大きく張り出したフェンダーを見るにつけ、「フェラーリよりも派手でカッコイイ!」と思っていたほどです。

やがてC4へとバトンタッチしたコルベットは、やや大人しめのスタイリングとなり、つづくC5で再びダイナミックなフォルムへ。そしてC6は……リトラクタブルを廃し固定式とされたヘッドライト、短くなった全長と長くなったホイールベース、全幅の縮小など、なにかと旧来のコルベットファンには受け入れがたいスタイリングに賛否の声(どちらかというと否が多く、C5末期に駆け込み需要も多かったらしい)が聞かれました。しかし、こうしてしばらく時間がたつと、やっぱりコルベットはコルベット!という感じ。筆者も、当初は少し違和感を覚えましたが、今ではこのC6のスタイリングも非常に気に入っています。またエンジンスペックも、フェラーリやランボルギーニに比べて見劣りすることはありません。

アメリカンな雰囲気が漂うコクピット。低いドライビングポジションがうれしい。ステアリングホイールにはパドルが備わる。ただし、コルベットとしてはアッサリしすぎのような気もするし、もう少し質感が欲しいところ
コルベットのボディは伝統的にモノコックではなく、フレームのシャシーを持っています。C6ではC5より導入した、高い水圧をかけて複雑な形状を最適化して成型したフレームを持つため、クーペとこのコンバーチブルは同等のボディ剛性を持っています。また逆に、実はクーペのほうも、トップを取り外してタルガトップとして楽しむこともできます。しかし、開放感は段違い。やはりオープンエアドライビングを重視するのであれば、コンバーチブルのほうが適することはいうまでもないでしょう。スイッチひとつで、約18秒でオープン状態とすることができます。
ソフトトップは、インパネ左端のスイッチ操作により約18秒でフルオートで開閉可能。トランクルームに格納され、かつてのポルシェ・スピードスターふうのカウルでカバーされる


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