ウィークポイントは……
4.2L V8FSIエンジンは、90度のバンク角を持ち、コンパクトな設計。ドライサンプの潤滑方式と併せて、軽量かつ低重心を実現 |
少し気になったのは、Rトロニックの制御です。変速時の、とくにシフトアップ時に少しタイムラグがある点と、一般道をシミュレーションした走り方では、その他のアウディ車にも見受けられるように、アクセルペダルやブレーキペダルの踏み始めに、やや唐突にゲインの立ち上がる領域がある点が気になるところ。
全開で走っているとあまり気にならないのですが、通常走行では機構的に不得意な部分がどうしても顔を出してきてしまいます。これは、もっと時間が経って洗練されていくことを望むしかないでしょう。
1670万円はバーゲンプライス!?
ボディサイドのカーボンデコラティブパネルはオプション。インテリアとのコーディネートも |
価格は1670万円。もちろん高価なクルマには違いないですが、ガヤルドでは2300万円を軽く超えていることだし、内容を考えると、かなりのバーゲンプライスといえるのでは? また、たとえばメルセデスのSLやポルシェ911などと比べても、同価格帯ながらミッドシップで4WDという点は、R8ならではの大きなアドバンテージとなるでしょう。
このところクルマ業界は、以前にも増して二極化が進んでいます。高価でも良いものは売れる……。そのことをすでに多くのプレミアムブランドは証明しています。
世界的に好調と伝えられ、ブランドイメージそのものも大幅に向上しているアウディにとって、新たにR8ようなクルマを成功させることは、それほど難しいことではないでしょう。
R8というクルマは、アウディなればこそ。こういうパッケージのクルマを開発し、世に送り出せることそのものが、今のアウディのフィロソフィー、勢いを体現しているのではないでしょうか。
写真:大沢秀行
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