IS350よりもIS250に好感触
そして次に乗ったのがIS350のバージョンS。おそらく多くの人が気になっているだろう仕様だ。IS350で印象的なのはやはり新開発された3.5LのV6直噴+ポート噴射のエンジンだ。GS350よりもわずかに高出力となる318psを発生するそのエンジンは、車重1610kgのボディとの組み合わせでパワーウェイトレシオ5.06kg/psという数値を実現。だから当然速い。しかも嬉しいのはこれまでのトヨタ車にはない気持ちよさがあること。特にサウンドや回転そのものにも「良いじゃん」と思える印象を受ける。しかも燃費にも優れ、高出力の3.5Lながらも10.0km/Lを実現しているから感心する。
IS350はIS250に比べ約60kg車重が重いこともあり、これを受けて当然鼻先も250より重くなるため、ステアリングのフィールは微妙に異なる。さきの250のステアリング・フィールに手応え感が増した感じ。ならばステアリング・フィールとしてはこの仕様がベストかというと、そうも思えない。手応えは出たのだが今度は逆に250にあったフリクションの少なさが薄れてしまうからだ。
ちなみにIS350のバージョンLでも印象はほぼ同じ。そう考えると現時点では、IS250のバージョンSが最も気持ちよい操舵感を備えていると思える。もっとも今回は街中および高速道路を走っていないため、これらは後ほど報告しようと思うが。
ハンドリングに関してはIS250/350、バージョンL/バージョンSのどの組み合わせでも悪くない。というか今回の伊豆スカイラインを走る限りでは決定的な差を見出すまでには至らなかった。どの仕様でも実にスッキリした感じで回頭し、その後のロール感がSとLでわずかに異なるくらい。路面変化もなかなか巧みにいなしていて好印象。
ただ路面が悪い場所では欲をいえば全車種でもう少しサスペンションのストローク感があればいいと思えた。そうすればもっとしなやかな動きで路面をとらえ続けるように思う。
ブレーキは250ではもう少し初期の制動感を出してほしいと思った。また絶対性能ももう少し欲張りたいと思った。一方350は高い性能を持っているが、エンジンが速いだけにペースを上げて走るとやや曖昧な印象を覚えてしまう。個人的にはもっとソリッド感のあるブレーキが欲しいと思えた。