しかし、この部分もまたかつてのAMGを感じさせるところで、ドライバーとしてはそういった動きをねじ伏せて乗る…という感じがあってエキサイティングだ。
それに何より、圧巻の加速はそういった細かな部分をすっかり忘れさせてくれる。右足を深く沈めると、蹴飛ばされたようにクルマは猛突進を始める。200km/hまでが本当にアッという間に感じられた。
それでいて、クルージングではわずかなスロットル開度で実にラクチンなところがいい。大排気量だけに、通常はほとんど2000回転までで事足りる…という感じなのだ。もちろん高速でもこれは同様。しかもそんな風にクルージングしているときには、さっきとは違って確実に矢のように突き進んでいく。基本的に以前のCクラスよりもスポーティさを増したマイチェン後のモデルをベースにしていながらも、こういう時のリラックスできる感じはやはりメルセデスのそれなのである。
普段乗りではたっぷりとした余裕を持ったCクラス…という感じだが、一度性能をフルに引き出せば、1クラスも2クラスも上のパフォーマンスを実現してくれる。まさに羊の皮をかぶったオオカミ、いや恐竜という感じだ。