ではインテリアはどうだろうか? 僕は正直言ってエクステリアほどの先進性を感じることができなかった。デザインそのものに関しては悪くない仕上がりだと思うが、そこで使われるマテリアルやディテールには落胆を隠せない。
一言で言ってしまえば、質感がバラバラで騒がしい…という感じだ。特にアスリートではダッシュパネルやセンターコンソールにブラック系の木目調パネルが与えられるが、その質感はかなりプラスチッキー。というか素材の表面があまりにも光りすぎていて、このクラスに求められる落ち着き感を削いでいる。
特にドアノブとパワーウインドースイッチ回りに配されたそれは、デザイン的にはかなり先進性を感じさせるにも関わらず、素材が先のような感じで、せっかくの質の高いデザインがもったいなく感じる。
またメッキパーツも光り過ぎて質感が低い。特にシフトレバーのゲート部分のメッキは下のクラスのクルマを思わせるものだった。エンジンスタートをスイッチで行わせるというフューチャリスティックな部分がある一方で、目に見える風景はちょっとだけ気を遣ったけど、やっぱり日本の応接間の域を抜け出ないものだった。センターコンソールの左右に配されたレザートリムや本革シートのステッチも、このクラスのクルマのそれとしては、糸が細すぎ、ピッチが細かすぎる感じがある。
個人的には、インテリアはデザインをそのままにマテリアルを置き換えてディテールを少し詰めれば大分落ち着きある感じになるだろうと思えるので残念だった。装備的にも使い勝手も全く不満はないのだが…。
しかしそんなことより肝心なのは中身である。見た目よりも、走りがいかなるものなのか? という方が僕にとっては重要だ。
PART2では、気になるその走りを解説する