目の前に広がるインパネも専用。どこかSL的な雰囲気が漂うのは、メーターやエアコン吹き出し口がセダンとは違うからである。
そしてハイライトといえるのが、そのスタイリングの美しさ。クルマから降りて改めて眺めてみると、さながらミニSLといった感じでカッコ良さと高級感が同居している。
搭載エンジンは日本では2.6/3.2LのV6が搭載されるCLK240/CLK320が用意されるわけだが、本国ではこのCLKで初お目見えとなった2.0Lの直噴+スーパーチャージャーを搭載するCLK200CGIがラインナップされる他、5.0L(!)のV8を搭載したCLK500も用意されている(もちろん試乗しました!)。そしてさらにAMGが手がけたCLK55AMGも(こちらは残念ながら試乗できず)。
CLK200CGIは、今回試乗した中では最も滑らかな感触を持っていた1台。他のモデルからすれば排気量が最も小さいので、当然パワフルな感じはないのだけれど、実用的には全く問題ないどころかこれで十分にOKといえるほどの走りを披露してくれた。そしてCLK500は圧巻!の一言。CクラスベースにV8パワーの組み合わせは、痛快でないはずがない。まるで路面から浮くかのように怒濤の加速を味合わせてくれた。
しかし、ベストは? と聞かれると、やはり日本に導入される240/320で悩むことになる。クルマのキャラクターとエンジンのゆとり、という風に考えるとやはりこの2台に落ち着く。個人的には240で十分と思えたが、当然320の方が「速さ」がある。
ボージョレー付近のカントリーロードっぽいところをある程度のペースで駆け抜けていくと、クルマ全体から実に濃い、凝縮された感じが伝わってくるのが分かる。この辺りはセダンとは明らかに違う部分。まさによりパーソナルな性格を持つクーペならではの魅力といえるだろう。
メルセデス、と聞くと無味乾燥なイメージを持つ方は少なくないが、そんな人にこそ、一度ワインディングでこの走りを味わってほしい。そんな風に言えるのがこのCLKなのだ。