音楽好きのボーイズも、このクルマでクルマも好きになってほしい!
これはクルマなのか、それともミュージック・ルームなのか? 四角くて広い車内は「日産キューブがライバルです」と関係者は言うけれど、そりゃ、ウソだろう。キューブのようにほんわか室内空間を好む人は、こんないかつい顔のブラックなクルマは選ばない。喧嘩でも売っているかのような顔つき。バンパー部分の張り出し感と厚み、そしてそれにつけられたうねりのような凹凸が、どう考えたってスーツを着たサラリーマンが降りてくる図は想像できない。圧倒されそうな顔つきに「大きいのか?」と思いきや、サイズは全長が3785mm、全幅が1690mmとコンパクトカーのそれである。
外観もさることながら、インテリアも一貫したオリジナリティ。ボンネットの両脇に存在するスピーカーは大きく主張し、インパネそのものがそのスピーカーを際立たせるためにデザインされているのがよくわかる。『Qバージョン』ともなるとそのスピーカーが前後合わせて9つ付き、ブルーのイルミネーションのふちどりが音楽に合わせて点滅するという手の込みよう。
さらにその音楽を聴くための『まったりシート』は、運転席&助手席が後ろに下がり、しかも下へ沈み、その状態でリクライニングさせれば天井を仰ぎ見ながらのリラックス・リスニングルームになるというわけ。そこまでして音楽が聴きたいか? 聴きたいんだろうな。都市部の住宅事情じゃ好きなヒップホップを聴くにもボリュームを上げられない。これじゃせっかくのベースのビートが魂に届かないというわけか。
すっかりソウルフルな室内空間。昼間より夜の方が似合いそうだ。とはいえ走りはさすがのトヨタのコンパクトカー。加速感といい振動といいしっとり感といいすごくまっとうで乗りやすい。音楽好きのボーイズも、このクルマでクルマも好きになってくれたらいいのになと、最近のオトコのコたちのクルマ離れを少-し思ったりするのである。
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