VOLVO(ボルボ)/ボルボ

ボルボXCシリーズの大胆価格戦略(2ページ目)

最近のボルボは大胆な値下げ戦略と装備の充実化を断行している。ユーザーからすると悔しいかも知れないが、ユーザー予備軍にはまさに朗報。XC70とXC90のイヤーモデルを紹介する。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

パワーは十分以上

ラゲッジステアリングを一新。レザーステッチやアルミニウムパネルのクロスパータンなど、スウェーデン王室出身デザイナーからヒントを得たというインテリアデザイン。ラゲッジは広大かつ上質なしつらえで、後席、助手席もフラットに倒せる組み合わされるトランスミッションは6速ATのままだが、過給器がついたおかげで走りのキャラクターを大きく変えた。09年モデルまでのXC70は、大排気量のNAらしいおおらかな走りを味わえたが、スポーティ系SUVに変身。直列6気筒ターボは、高回転域のパワーが十分なのはもちろん、1500~4800回転まで幅広い回転域で最大トルクを発揮するフラットトルク型の恩恵で、Dレンジに入れっぱなしで急坂を登ってもグイグイと巨体を押し上げていく。独得のエンジン音とややムラのあるパワー出力の密度感は、もう少し洗練させて欲しい気もするが、逆にいえばターボらしい元気なエンジンだ。

しっかりしたボディの剛性感とワゴン派生型らしい重心の低い走りは、まさにワゴン感覚でRのきついコーナーも苦にしない。しかし、元気なエンジンを手にしたとはいえ、軽快なフットワークというよりも、適度に重さのある乗り味だ。逆に大人のSUVという雰囲気を残しているからXC70らしい高級感は健在で、好感が持てた。

XC90もラインを一新

フロントビュー
3列シートを有するXCシリーズの最高峰、XC90も2010年モデルでラインナップを一新。「Nordic」と「3.2 R-DESIGN」の2本立てに。全長×全幅×全高:4810×1910×1780mm。価格は前者が624万円、後者が699万円
クロスカントリーシリーズの「XC」でトップモデルに君臨するXC90は、3列シートを有する大型SUV。輸入SUVでは、BMWのX5やアウディQ7などの3列シートSUVは存在するが、いずれもサードシートはオプション設定で、しかも割高な設定。標準でサードシートを備えるのがXC90の特徴だ。とはいえ、セールス的にはトップクラスという印象は少ない。他のラインナップと同様に、戦略的な価格を掲げた2010年モデルを投入してきた。

09年モデルの3.2SE AWDは685万円だが、624万円と61万円もプライスダウン。さらに、イヤーモデルの追加装備として本革シートや助手席パワーシートなどの追加も見逃せない。

次ページはXC90の走り
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます