水素ロータリー・プレマシー
3列目と荷室の半分くらいを水素タンクが占めるため、2列のみの5人乗りだが、スライドドアや広い5人乗りスペースはEVやFCV、ハイブリッドカーなどの次世代エコカーでは随一の広さと実用性といえるだろう |
マツダは、RX-8ハイドロジェンREのリース販売をすでに2006年からスタートさせているが、今回は5人が無理なく乗れるプレマシーがその素材。どんなクルマか車名から想像はできるが、簡単にシステムをご紹介しよう。
水素ロータリーでしかもハイブリッド
内装材とシートは、バイオ由来の素材であるバイオテックマテリアルを採用。現在はトウモロコシのデンプンから作っているが、食用にならないセルロースを代用として使えるように研究開発を推進しているという。触感や見た目は化石燃料の、従来のプラスチックと変わらないように見えた |
プレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドをご紹介する前に、燃料?を水素とする燃料電池車をおさらい。フューエルセルビークル、Fuel Cell Vehicle、FCVという呼び名でも呼ばれる。とても簡単に説明すると、水素と酸素を化学反応させ電気を発生させ、水のみを排出する。水素さえなんとかなれば、無害で温暖化の原因であるCO2とも無縁でいられる。モーターで駆動するため、内燃機関は積まない。爆発を繰り返す内燃機関を積まないため静かだが、大きく重い上にまだまだ高価なバッテリーやセル、スペースを食う水素タンクが必要なのが難点だ。一種のEV、電気自動車でもある。
一方のプレマシー・ハイドロジェンREハイブリッドの場合、水素ロータリーに発電機であるジェネレーターを組み合わせている。エンジンを発電機として使いモーターを駆動して走るのが特徴なので、エンジンが回れば無音ではない。水素ロータリーエンジンの動力で発電するジェネレーターを搭載するが、何せエンジンを積むで、ガソリンでの走行もできるのが強み。水素が補給できなければガソリンに任意で切替ができるから、航続距離への不安は基本的にはない。なお、水素では200km走れて出力も40%向上している。エンジンは異なるが、BMWのハイドロジェン7シリーズも水素とガソリンの切替が可能だが、ロータリーの利点は後述する。
次ページは、走りについて