V6はパワフル!
新しいV6エンジンは、従来の数字的にもパワー的にも中途半端な2.7Lから3.2Lに大幅にアップ。吸排気VVTシステムなどにより、224ps/6200rpm、29.0kg-m/3500rpmのスペックを実現している |
V6は排気量アップの恩恵が明らかで、急な登勾配が続く山道でもDレンジのまま余裕で走れてしまうほどトルクがあり、高速域での伸びも素晴らしい。パーシャル域からの加速もストレスとは無縁だ。エンジン音も抑えられているが、高回転を多用する山岳路では勇ましいエキゾーストを存分に奏でる。だが、不快さはない。もう少し高級感を抱かせてくれるエンジンであれば一級品の高級SUVといえるのだが。
マイナーチェンジ前の弱点であった、路面の凹凸を正直に拾う微細な振動、一定の周波数が車内に侵入してくるやや耳障りなノイズなど、NVH全般は大幅に改善されている。他の高級SUV、しかもオンロード重視のライバルと比べても勝るとも劣らない印象を受けた。オフロード性能を大切にするエスクードのキャラを考えると、ひたむきなまでのネガつぶしには敬意を払いたい。音や振動などトータルの乗り心地は、車格で1段も2段もアップしている。
ハンドリングのよさも健在
オフロードで試したのは、約2秒間続くヒルホールドコントロールとヒルディセントコントロール。雪道でもミラーバーンでも安心して走行できる。日常シーンではなんら不足のないありがたい装備だ |
オフロードコースは、クルマのポテンシャルを持てあますほど、イージーなレイアウトだったので、新装備を試す場として用意されたのだろう。デフロック時にブレーキ操作をしなくても一定速度を試すヒルディセントコントロールと、上りの坂道発進の際に車体が最大2秒間下がらないヒルホールドコントロールだ。ともにAT車に設定されている。前者はトランスファーが4Hロックで10km/L、4Lロックで約5km/Lに保たれる。作動音や振動は装備の存在を感じさせるもので、平均的なレベルだ。しかしドライバーの安心感はこれで倍増といえる。
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