ステーションワゴン+SUV
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7年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたXC70。価格もサイズといった車格もワンランク以上アップした。全長4840×全幅1890×全高1605mm。価格は625万円のモノグレード |
ステーションワゴンの最低地上高を高め、バンパーガードを付け足すことでSUVテイストを加味したのが、ボルボが「クロスカントリー」と謳うジャンルだ。弟分にあたるXC70を従え、同セグメントのトップブランドを狙う。ガチンコとなるのはアウディのA6オールロードクワトロで、後は半分のお値段で買えるレガシィ・アウトバックくらいしか競争相手はいない。背の高いSUVはいやだけど、普通のワゴンでは飽き足らないという向きには魅力的な存在だろう。ちなみにアウトバックの販売率は、セダンのB4をのぞき、レガシィ・ツーリングワゴン系で見ると約1/4を占めるという。
本格SUVに迫る高い資質
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力強さと流麗さを併せ持つリヤビュー。無骨な印象のあった先代よりも上質感が高まっている |
ワゴンの派生形とはいえ、SUVの資質は十分に備わっている。電子制御4WDはプレチャージという方法を採り、停止状態からでも後輪に80Nmのトルクを配分することで滑りやすい路面に対応する。逆に乾いた路面では前輪に95%のパワーを振り分ける。つまり、ほぼFF状態とすることで安定性と低燃費に貢献し、状況に応じて50%まで後輪へトルクを割り振る50:50のトルク配分を実現する。悪路走破時に大切なロードクリアランスも十分に確保し、最低地上高は190mm、アプローチ、ディパーチャー、ランプアングルはそれぞれ19.2°、24°、19.8°。浸水防御限界高も300mmと全天候型SUVとして一級のスペックを誇る。
さらに、急勾配を降りる際に威力を発揮する「ヒル・ディセント・コントロール」もスノードライブなどではとくにありがたい装備だ。下る速度を10km/h以下に制限し、アクセル、ブレーキ制御を行ってくれるもの。ドライバーはステアリング操作のみに集中できるので、下りのミラーバーンなどで襲われるストレスを半減してくれるはずだ。実際に使ってみると、作動音とショックはやや大きめだが、デバイスの有効性もまた感じさせてくれた。
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