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SUVの王者「ランドクルーザー」の真価

200系といわれる待望のランドクルーザーが登場した。盗まれやすいクルマという巷間の話はそのステータスが海外でも高いという裏付けか!? それはともかく新型ランクルはランクルらしい正常進化を遂げていた。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド


200系はこんなクルマ

フロントビュー
世界100カ国以上で登場を待たれていた新型ランドクルーザー。価格は「AX」が470万円、本革シートを標準とし、ミリ波レーダーやレーダークルーズコントロールなどによるプリクラッシュセーフティがセットオプションで選べる「Gセレクション」が540万円。全長4950×全幅1970×全高1880mm
先代100系から10年近く経ち、まさにファン待望のご登壇となった新型ランドクルーザー。そのファンは、日本のみならず100カ国以上の世界中にいる。日本市場や最近流行の高級SUVと同じ目線で眺めてみると「?」という点が散見される。「泣く子も黙るランクル」だから、性能や機能うんぬんは「どーでもよく」、ハンコを即押す人も少なくないだろう。80系あたりからの乗り換えなら、「トラックから乗用車へ買い替えた」くらい隔世の感があるだろうし、100系からでも十二分に進化、熟成具合を満喫できるはずだ。まず、前提として新しい200系ランクルは、やはり砂漠や林道を走破するクロカンヨンクの王道をいっているということ。もし、一度もオフロードを走らないなら、カメラ付きケータイのカメラを一度も使わないのと同じくらい「宝の持ち腐れ」となる。

オフロードを走るために生まれている

リヤビュー
ボディは30mmほど拡幅されたが、大きさはほとんど変わっていない。四角いフォルムは、ゲレンデバーゲンなどのクロカンヨンク同様、オフロードでは見切りがいいことが必須のため、機能から生まれたデザインを踏襲しているといえるだろう
新型でもランクルの開発要件は変わらない。何よりタフであること。砂漠のど真ん中で立ち往生したら、乗員の命に関わるなどの日本では想像もつかない苛烈な条件下で頼られる存在だから。日本では真冬の北海道の原野あたりでは分からないが、クルマが止まってしまってただちに命の危険にさらされる場所はそうそうないだろう。できればメカとしてシンプルで、耐久性が高いことも求められる。10万、20万km走ることは珍しくとも何ともない。また、海外では趣味の船を牽引したり、他の車を引っ張ったりするなど大きな「牽引力」も求められる。そのためには乗用車向きのモノコックボディではなく、タフなラダーフレームがまだ必須という判断だ。オンロードでの乗り心地を考えれば、モノコックが有利なのは当然。その代わりではないのだろうが、サスペンションはトーションバーからコイルスプリングへと変更された。心配なのがモーグルなど、タフなオフロードを走破する際のストロークが足りるのかという点だが、従来のトーションバーと同等レベルの性能は確保しているとのこと。これは実際のオフロードコースで安定性を含めて十分に実感できた。

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