BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

新型X5はSUVを超越したハンドリングだ(2ページ目)

高級SUVとして約58万台を売り上げたX5が2代目にチェンジ。BMWらしい先端技術によるハンドリングは驚異のひと言。それでいて乗り心地もいいのだから脱帽ものだ。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

どこまでも曲がっていく

インパネ
BMWらしいシンプルなスポーティさと初代より高まった質感がいい。機能的なインパネだ。しかし、950万円を超える価格を考えると足りなさも若干ある
試乗したのは、V8のノーマルサスで、自慢のアダプティブドライブを装備。タイヤはSUV界初のランフラットを履く。大きさを感じさせない運転感覚はBMWならではの魅力だし、同社が固執する「駆け抜ける歓び」に欠かせない要素だろう。硬めのタイヤによる少々ばたつく乗り心地、無理目なスポーツ演出などといった初代がもっていたちぐはぐなスポーティさが影を潜めている。「ここまで曲がるか!」という走りは、街中で50kmも出ていなくてもそれこそ交差点ひとつ曲がるだけで全身にたたき込まれる。ハンドリングのよさはSUV界随一だ。3や5シリーズあたりに操っている錯覚さえ抱かせるし、高いアイポイントのクルマがここまで走っていいのかと戸惑うほどだった。

進化を感じさせるのはアクティブステアリングだけでなく、ランフラットタイヤも同様で乗り心地も極上。スポーツサスがどうしても欲しいという人でなければノーマルで十分だ。キレキレなハンドリングを披露し、ロール制御も巧みでタイトコーナーさえ待ち遠しくさせるのに、振動は最小限で驚きのひと言。アウディQ7のエアサスと遜色ない乗り心地も魅力だ。注目のアダプティブドライブは台風が迫る激しい雨中のため、ほとんどドライでは試せなかったものの、旋回能力の高さは十分感じられたし、滝のような雨、川まで出現したコーナー、勾配が続く高速道路でも安心感は絶大だった。ただし、あり余るトルクとパワーで右足は不用意に踏み込めなかったが。バランス的には272PS/32.1kg-mの直6・3.0Lのほうが優れているのではないだろうか。とはいっても355PS/48.5kg-mの余裕のパワー&トルクは、ロングツーリングなどで威力を発揮しそうだし、V8だからといってノーズの重さは感じさせない。

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