内際分離の弊害とその背景 

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旅客乗り継ぎには、ミニマム・コネクティングタイム(MCT=最低乗継時間)が定められており、MCTが短いほど利便性が高いとされます。すでに欧州域内では、国際線乗り継ぎに30分を切る空港もあるほど。欧州では、ゲートウェイ争奪戦にそれぞれの空港が早くからしのぎを削ってきたこともあり、ここ数年で空港の利便性が飛躍的に向上しました。ですから、これまでの「国内線は羽田、国際線は成田」とする内際分離の現状ではハブ化にはほど遠く、抜本的な改革が叫ばれています。

そもそも首都・東京における国際空港は羽田でしたが、高度経済成長期の航空需要の増加により羽田が手狭になったことから、1978年成田開港を機に、国際線のほとんどを成田へ移したという経緯があります。ところが近年、埋め立て技術の進歩もあり、前政権時代から東京湾上の羽田を再拡張する建設が進められています。羽田の24時間化を実現させ国際線の発着容量を増やすことで、新滑走路使用開始予定の2010年以降は、成田・羽田を併せた発着回数が、現在の52.6万回よりも17万回増える計算です(表3)。

まとめ 

激しい反対闘争の末に開港に至った成田の地元住民や自治体との調整、米軍横田基地に絡む制空権の問題、関空や中部など幹線空港の地盤沈下に対する懸念など、羽田のハブ化には問題が山積です。とはいっても国家繁栄のために戦略的に開港された仁川に対し、日本における前政権時代の空港・航空行政には、場当たり的な発想があったことは否めません。日米航空関係の不平等性やオープンスカイ(航空自由化)の対応などでスピード感を欠いた日本の空に、羽田のハブ化は、あらたな時代の幕開けとなるのではないでしょうか。

2010年10月、いよいよ国際化再デビュー! 気になる詳細はこちら>>>羽田空港国際定期便で今秋、羽田から海外へ
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