MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

新型パジェロは万能選手

「クロカン4駆」の流れを汲む三菱パジェロが4代目にスイッチ。高級SUVの世界的な流れにどう対処するのか? 1982年に登場した国産SUVの開拓者はバランス感覚に優れたモデルに進化していた。

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

主流の「高級車=SUV」の方式

PAJERO外観
3列シート7人乗りのロングと2列シート5人乗りのショートを用意。ロングは全長4900mm×全幅1875(ZRは1845mm)×全高1870mmの巨艦サイズ。価格は241万5000円~436万8000円
一昔前まで「クロカン4駆」と呼ばれ、悪路走破性の高さを売りにしたモデルがRVブームを支えてきた。その流れを受け継ぐ正統派が新しくなった三菱パジェロ。しかし、クロカン系の流れを飲み干さんばかりの勢いを見せ、世界中で流行しているのがプレミアムSUV。ポルシェまでが禁じ手と思われたSUV(カイエン)を出したのには、「SUV=究極の実用車」という素材で高性能を主張し、多様な付加価値を与えることで「高く売れる」というメーカー側の計算がある。

実用性と高級感を兼ね備える

事実、「クロカン系」よりも、ホテルのエントランスに横づけできる高級感、高速道路をスポーツカー顔負けのハイスピードで駆けるオンロード性能を誇示する「プレミアム系」の方が最近では数多い。では、SUVの本流たる悪路走破性、高い実用性、手が届きやすい価格帯であるという条件を満たすモデルが廃れてしまうと決めるのは早計。パジェロに代表されるクロカン系は世界中で必要とされているからだ。それは、林業であったり、レスキュー隊であったり、あるいはボートを牽引する北米の富裕層かも知れない。

新型のよさは、使い方次第でクロカン系にもプレミアム系にもなれる資質を兼ね備えている点。では、走破性ではパジェロに劣らないポルシェのカイエンやフォルクスワーゲン・トゥアレグあたりと何が違うのか? それは、四半世紀に迫る歴史が証明してきた実績や信頼感だろう。トゥアレグはパジェロ同様、「ダカールラリー」で活躍を見せているが、どちらが「使い倒せる感」があるかと言えばパジェロ、と思わせるのは、その戦績や世界中の人々が現場で使い倒してきたというイメージによるものが大きい。

次ページでは、インテリア、ラゲッジについて解説。
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