世界で最も過酷なコースでテストされるランエボ9

いつものルフトハンザLH711便はフランクフルト空港へ舞い降りた。空港から自動車で約2時間をかけて移動する。目指すはドイツのアイフェル地方。日本とは比べものにならない速度で多くのクルマが疾走していくアウトバーンを行く。次第に街は遠ざかり、緑が溢れる一帯が広がっていく。

アウトバーンを降り、やはり流れの速いカントリーロードをしばらく行くと、ようやく右手に、目的地の一部が見えてくる。ニュルブルックリンク・ノルドシェライフェがその場所だ。

クルマ好きなら、「ニュルブルックリンク」の名を知らない人はいないはず。そして同時に、ここが世界で最も過酷なコースであり、自動車開発の聖地であることも。

この日僕は今年2度目となるニュルブルックリンク巡礼を行った。目的は、三菱が送り出し世界が認めるジャパニーズ・カルト・スポーツ、ランサー・エボリューションの最新版である「IX」のプロトタイプを試乗するためである。

奇しくも今年1度目のニュル巡礼は5月。ランエボの最大のライバルであるインプレッサWRX・STiスペックCの試乗だった。つまり、時期こそ違うけれど、僕は今年ニュルで最大のライバル同志を試乗することができたのだった。

ニュルブルックリンク・ノルドシェライフェのコース全長は20.8km/h。つまり1周は、筑波サーキットの10周に匹敵する距離である。
公式HPのデータによれば、コーナー数は左33、右40の、合わせて73コーナー。しかし実際にはもっと多く感じるほどの場所だ。