大型ミニバンの本当の実用性(2ページ目)

2、3列目の広さ、快適性は？

エルグランドの２列目ベンチシート。３人掛けだが、ゆったりくつろぐなら２人までが最適。８名乗車を想定するならもちろんベンチシートが唯一の選択肢となる

さてエルグランドに乗り込むとまず、足元の広さと頭上空間の余裕に驚くだろう。ライバルのアルファードも同じような広さ。エルグランドの特等席は2列目席。３列目席でも大人が普通に座れる。ここが大型ミニバンの魅力のひとつ。実際に170cmの男性が２人並んで座り、片道３時間のドライブをしても不満は出なかった。気持ち良さそうに居眠りをしていたから快適だったに違いない。大人６、７人が快適に過ごすには最適の一台だ。

２列目には大人２人（男女1人ずつ）に、子ども（１歳半）が１人座った。この組み合わせだとネックになる点に気付く。
そう、子どもにはチャイルドシートが必要で1席分を占めてしまうため、残りは大人１席分と「１席分の約７割程度」しかスペースが残らない。この約７割というのは2列目席の中央席で、無理な姿勢を強いられ大人が長時間乗るにはキツイ。「チャイルドシート１台＋大人２人」でベンチシートの２列目に腰掛けるのは、なかなか厳しいと実感した。２列目はチャイルドシートに大人1人が理想的で、子どもを含み合計６人までが快適なラインと言えよう。３列目にも大人３人が座れるが、先述したように居眠りができるほどの快適性を望むのは難しい。

フル乗車時の積載性は？

また、人数分の荷物を3列目後方のラゲッジに積み込むのは不可能。３列目席まで着座するので奥行きが圧倒的に足らない。結果的にバッグを３～４つ重ねて積んで、残りは足元に置くことに。３列目席前の足元にそれほど余裕はないが、２列目前ならバッグを２～３つ程度置くのは造作もない。助手席と運転席の間にも１泊程度のバッグなら置ける。問題はさらに荷物が増えるシーン。このときはスーパーで食材を大量に買い込み、飲み物もあったため各自が足元で支えた。短時間なら問題ないだろうがこの状況で長距離ドライブをするのは酷だろう。

次ページでは、荷室スペースについて解説。