オープンカーに乗りたくなる季節に……

みなさんはオープンカーに乗ったことがあるでしょうか? 現在、所有している人や過去に愛車としていた人はもちろん、一度でもオープンカーに乗ったことのある人なら、冬が過ぎて暖かくなってきたこの時期、オープンカーに乗りたいという気持ちがきっと高まっていることでしょう。

オープンカーというと、今でこそかなりの数の車種がラインアップされていますが、20年ほど前には、状況はまったく違っていました。逆にさらにもっと前の時期には、スポーツカーといえばオープンカーを指すほど、各社が盛んにオープンカーを手がけていた時代でした。ところが、対候性や安全性の問題から衰退し、固定式ルーフを持つクーペがスポーツカーの主流となっていきました。1970~80年代にはオープンカーは特殊な車種しか存在しない状況となっていたのです。

その流れを一気に変えたのが、マツダが世に送り出したユーノス・ロードスターでした。今回はロードスターの誕生から現在にいたるまでの日本のオープンカーの歴史を、懐かしみながら振り返ってみたいと思います。

ユーノス・ロードスター

最初期型は標準モデルと高級&レトロ仕様の「Vスペシャル」という2グレード体系。デビュー当時の価格は170万円~216万2000円

1989年9月にデビューしたロードスターは、クラシカルな愛らしいスタイリング、手ごろなボディサイズ、リーズナブルな価格などが受けて、まず先に発売されたアメリカで火がつきました。当時このクルマの情報は、もちろん日本でも盛んに取り上げられ、日本で発売されるころには、もう日本国内でのヒットは約束されていたようなものです。デビューするや、こうした特殊なクルマでありながら、月販5000台をコンスタントにマークしたことも思い出されます。またロードスターは、「ヒラリ感」と評されたフットワークも絶賛されました。「運転してこれほど楽しいクルマはない!」と……。

そして、世界中で人気者となったロードスター=MX5ミアータの存在は、世界の自動車メーカーをも動かしました。ほどなく各社が、コンパクトでライトウエイトの2シーターのオープンカーというパッケージのクルマの開発を急いだのです。やがて、MG-Fや、BMW Z3/Z4、メルセデスSLK、ボクスター、フィアット・バルケッタなどの車種が登場しました。もしもロードスターが存在しなかったら、それらの車種は存在しなかったのではないでしょうか。世界中のオープンカー復権のキッカケとなったのが、マツダが生んだロードスターだったといえるです。

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