昨年のTMS(東京モーターショー)に参考出品されていたウィッシュが、ついに正式発表された。概要はTMSの出品車とほぼ同じである。
以前の記事でリポートしたとおり、ウィッシュは手頃なボディサイズ設定が設計の要点となり、全長4550mm、全幅1695mm、全高1590mm(4WDは1600mm)という5ナンバーの一般性の高いサイズ設定となっている。
このサイズは初代イプサムやストリームとほぼ同じであり、ミニバン系ではコンパクト。あるいは手頃なサイズのミドルセダンとほぼ同じ平面寸法という点から、市街地など日常用途での使い勝手に優れた設定だ。また、ドライバーシートの座面地上高は600mmに設定。一般的なセダンやワゴンよりも10cmくらい高いのだが、それでもミニバン系では低めの設定。低いボンネット高もあり、ミニバン特有の腰高な運転感覚が少なく、小柄なドライバーでも乗降に苦労が少ない高さといえる。
コンパクトで取り回しやすくても、キャビンスペースが狭いのでは、何のためのミニバンか分からないが、ウィッシュの開発ではキャビンスペースの拡大とユーティリティの向上も大きな要点のひとつとなっている。
この辺りは、先行して登場しているストリームをかなり意識している。具体的には居住性や使い勝手でストリームを上回ることが設計の大前提であり、とくにサードシート周りの居住性とシート機能にこだわっている。
キャビン後半のボリューム感を抑えた外観の印象では、サードシートのレッグスペースもヘッドルームも厳しく思える。実際に、成人男性ならば必要最低限のスペースしかない。それでも、シートの座り心地や着座姿勢がまずまずバランスしているため、押し込められているように思えるほど窮屈な思いはしないで済む。
長時間ドライブヲサードシートで過ごすのは、さすがに抵抗があるが、1時間くらいのドライブならば納得できる居住性である。