ホンダ モビリオ |
K氏:::外観でも分かるだろう。モビリオのクォーターウインドウのところがパネルで塞いじゃ、サードシートの人にあまりに失礼だな。サードシートがないからこそのデザインだね。
O君:::極太リヤピラーって言うんですね。ボディ剛性が相当上がりそうですね。
K氏:::上がったとしても、それで操安がどうこうってことはないと思うね。このピラーを太くするといっても、大断面のボックス構造ってわけじゃないし。
O君:::ウインドウホールを開けなかっただけですか。それじゃ、商用バンみたいですよね。乗用車をわざわざバンみたいにしているわけですか。
K氏:::そういう楽しみ方はある。いわゆるバニングってヤツだ。ワゴンのクォーターウインドウをパネルで塞ぐカスタマイズって見たことないかな。
O君:::そう珍しくはないですよね。ヒップホップ系カスタマイズって感じかな。気取った感じが無くなって、ワルぶった迫力がある。好き嫌いは強くなりそうだけど・・。
K氏:::そういうノリのクルマって、他に思い浮かばないかい。
O君:::そうだな、ザッツとかbBかな。
K氏:::現役ではね。もうなくなったけど、バニング感覚のスペシャルティカーの先駆になったホンダ車があるでしょ。
O君:::あっ、S-MXだ。でもそんなにバンっぽい感じはないけど。
K氏:::そういう違いは単純な外観の演出方法の問題でね。狙い所は同じと考えて良いな。
O君:::つまり、S-MXの実質的な後継モデルがスパイク?
K氏:::ボクはそう思っている。ターゲットユーザー層は完全に一致するし、多目的ファミリーカーとして使いやすそうな条件を揃えているが、ファミリー色を否定するような嗜好性を与えているのも同じ。
O君:::うーん、そう言われればファミリーで楽しく便利って条件はモビリオでも揃っているわけですよね。多人数乗車が目的でなくても、ファミリー志向の人はモビリオが吸収するから、アンチファミリー派のためにスパイクって案配か。
K氏:::思い切り遊べるユーティリティの高いクルマは欲しいけど、ファミリーカーはイヤ、って層は多いと思うよ。北米なんかだと、クルマ好きの間じゃ、ミニバンのことを「ママズワゴン」って呼んで、小馬鹿にしているという話も聞いた。そのタイプのクルマ好きは、日本でも少なくないと思うね。
O君:::そういう人向けならば、走りに力が入っても当然。だから、新しいVTECエンジンか。
K氏:::このエンジンはモビリオに搭載されていた位相点火ツインイグニッションのエンジンをベースに16バルブとVTECを採用している。これで最高出力はモビリオの20psアップだね。このクラスの20psは大きいぞ。
O君:::このエンジンって、確かフィットに追加された1.5Tにも積んでいるんですよね。フィット1.5Tもスポーティな設定だし、スパイクも切れの良い走りが売り物になんですか。
K氏:::モビリオは高速長距離走行に不足ない走りを確保しても、基本はタウンユースでの軽快感と乗り心地重視。この走りじゃ、スパイクのキャラクターは成立しないな。試乗前なんで、明言はできないけど、けっこうバリっとしていると思うね。
O君:::ここでもS-MX的な方向ですか。
K氏:::あれはやりすぎ。最近のホンダ車の傾向からすれば、もっとグランドツーリングの方向でまとまっているだろう。