ロードレースの世界選手権
バイク(オートバイ)を使った競技といっても、「ロードレース」「モトクロス」「モタード」「トライアル」などたくさんのジャンルがあります。今回はサーキットで開催される「ロードレース」に的を絞ってご紹介していきましょう。まずは世界選手権です。
【MotoGPロードレース世界選手権】
ロードレースの世界最高峰と位置付けられ、4輪レースでいえばF1に相当するのが「MotoGP(モト・ジーピー)ロードレース世界選手権」です。世界15カ国以上を転戦する「MotoGP/WGP」はイタリア、スペインなどで特に人気が高く、ヨーロッパではF1をも上回る人気があると言われています。
ケイシー・ストーナー(ドゥカティ) 【写真提供:MOBILITYLAND】 |
「MotoGP」・・・800cc 4ストローク
「Moto2」・・・600cc 4ストローク
「GP125」・・・125cc 2ストローク
ロードレース世界選手権では、どのレースにもメーカーやシャシーコンストラクターが開発したレーサーマシン(レース専用バイク)が使用されるのが特徴です。4輪でいう「フォーミュラカー」に相当するものだと考えてください。そして、F1と決定的に違う部分は、それぞれのクラスに「世界選手権」のタイトルが付けられ、1年でクラス別に3人の世界チャンピオンが誕生することです。昨年は「Moto2」クラスの前身である「GP250」クラスで日本人の青山博一(あおやま・ひろし)が世界チャンピオンに輝きました。
日本では、「日本グランプリ」が栃木県の「ツインリンクもてぎ」で、4月23日から25日に開催されます。また、テレビ中継は日本テレビ系のCS放送「G+(ジータス)」で放送されていますので、「MotoGP/WGP」は最もとっかかりやすいレースといえるでしょう。
【スーパーバイク世界選手権】
「MotoGP/WGP」の次にメジャーな世界選手権が「SBK」「WSB」とも略される「スーパーバイク世界選手権(ワールドスーパーバイク)」です。「SBK」にも多数のメーカーワークスチームが参戦していますが、「MotoGP/WGP」と決定的に違う点は、使用されるバイクが「市販車をベースにしたもの」という点です。
SUZUKI GSX-R1000 【写真提供:www.worldsbk.com】 |
世界選手権といっても、「SBK」はヨーロッパを中心に転戦するレースで、日本での開催は2003年を最後に行われていません。しかし、近年は日本人ライダーが多数参戦しており、中でも芳賀紀行(はが・のりゆき)はイタリアの「ドゥカティ」のワークスチームのエースライダーとして活躍中で、昨年は惜しくも世界チャンピオン獲得のチャンスを逃しました。
「ドゥカティ」はイタリアを代表するバイクメーカーですから、芳賀はF1でいえば、シューマッハーが引退した時のフェラーリにやってきたキミ・ライコネン、あるいは今年、大本命としてフェラーリに移籍したフェルナンド・アロンソのような存在といえるでしょう。そんな役を日本人がやっているわけです。もちろんヨーロッパでは「ノリユキ・ハガ」の名前は今までの日本人F1ドライバーの誰よりも知られた存在です。
ドゥカティのワークスライダー芳賀紀行(左) 【写真提供:www.worldsbk.com】 |
なお、「スーパーバイク世界選手権(ワールドスーパーバイク)」はCS放送チャンネルの「Jスポーツ」で後日、中継録画で楽しむことができます。
次のページでは、国内の2輪レースをご紹介しましょう。