GT-Rをグローバルなスーパーカーの存在にする
スパ24時間の出場車両たち 【写真提供:FIA-GT】 |
これまで「スカイラインGT-R」の時代のマーケットは主に日本だった。そのため、かつてのル・マンへの挑戦も海外に向けてのというよりは国内に向けてアピールする意味合いが強かった。しかし、今や国内でのスポーツカー需要は非常に低調。その反面、海外での日本車に対する人気は凄まじいものがあり、中東などではフェラーリやポルシェを買える富裕層がGT-Rを購入して走りを楽しんでいるとも聞く。海外メディアの評価も非常に高いGT-Rを名実ともに日本代表のスポーツカー・スーパーカーにするべく「FIA-GT選手権」に参戦させることは非常に意味のある挑戦ではないだろうか。
かつてル・マンにも挑戦したスカイラインGT-R |
1年目からの同選手権での成功は簡単なことではないが、是非とも海外のスーパーカーにも引けを取らないレースを見せてほしいものだ。
ニスモフェスティバルに登場したFIA-GTのNISSAN GT-R。「SUPER GT」車両に比べるとより市販車に近く、オーナーはより感情移入しやすいかもしれない。エンジンは北米で生産される大型ピックアップ車の「インフィニティQX56」などに積まれているVK56DE(5.6リッター)V型8気筒エンジンを搭載。抜けるようなレーシングエンジンとはまた一味違う、デロデロなアメリカンな雰囲気のV8サウンドもかなりの迫力だ。 |
FIA-GT選手権の今後の日本での開催は?
今のところ「FIA-GT選手権」を日本で見るチャンスはない。現時点では日本ラウンド開催は具体的にはなっていないが、「NISSAN GT-R」の参戦が良い機運となりそうだ。「FIA-GT選手権」はGT1クラスを今年から世界選手権にするので、ヨーロッパ、中東、南米だけでなくアジアでの開催も視野に入れたいところ。やはり最も進出したい国はDTM(ドイツツーリングカー選手権)も開催される中華人民共和国だろう。残念ながら今年のレースはキャンセルとなった。
中国での開催ではあまり関係がないかもしれないが、日本での開催となると出場するドライバーの人気度も集客を大きく左右する。昨年までのドライバーラインナップであると、どうしても集客は難しい。ワークスチームとして参戦できないので、なかなか実力とネームバリューを兼ね備えたドライバーを揃えるのは難しいかもしれないが、世界選手権化で徐々にシリーズとしての注目度が上がっていくことを期待したい。
GT-Rももちろんだが、日本ではなかなか見れないマセラティMC12などが見れるのもFIA-GTの魅力。是非、日本開催を実現して欲しい。 【写真提供:FIA-GT】 |
このシーズンオフには「KONDO RACING」からのSUPER GT参戦を決めた安田裕信のFIA-GT進出も噂されていたし、ドライバーの追加が必要なスパ24時間レースでは日本人ドライバーの参戦も是非実現させて欲しいところだ。(日程的には真夏のSUPER GT菅生の翌週であるため、GTドライバーにとってはスケジュール面でも、体力面でも厳しいものになるが・・・)
というわけで、「FIA-GT」は日本での情報はまだ少ないが、今後注目のレース。そして、久しぶりに海外のビッグレース、そして「世界選手権」への挑戦を行う「NISSAN GT-R」のレースぶりに期待したい。熱烈なニッサンファンは海外にGT-R応援旅行に出かけてみてはいかがだろうか。
【関連リンク】
FIA-GT(英語)
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