フォーメーションラップで急激に盛り上がる
先に書いたようにイタリア人のF1ファンは年齢層も幅広いせいか、意外にも静かでジェントルな雰囲気である。しかし、ひとたびF1のスタート進行が始まると「待ってました」とばかりにエアホーンを鳴らしテンションを上げていく。もちろんフェラーリのマシンが通るたびに歓声は大きくなっていくのだ。
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サンマリノGP無き今となっては、モンツァでのイタリアGPはティフォシたちにとって年に一度のお祭り。そしてフェラーリのドライバーにとっても特別な思いで挑むレースである。 |
今回のイタリアGPでは負傷したフェリペ・マッサの代役にフォースインディアから移籍したジャンカルロ・フィジケラがフェラーリに乗ることになった。21年ぶりにイタリア人がフェラーリに乗ってイタリアGPを走ることもあってか、フィジケラに対する歓声はひときわ大きかった。しかし、イタリアのティフォシたちは国籍に関係なくフェラーリの「ピロータ(ドライバー)」に敬意を込めた拍手を送る。前戦ベルギーGPで優勝したキミ・ライコネンに対してはもちろん、この日の決勝前にマッサからのビデオレターが流されたのだが、ティフォシ達は騒ぐのをピタッと辞めて彼のコメントに聞き入っていた。
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フェラーリに乗ることになったイタリア人、フィジケラに歓声を送るティフォシ達。 |
フェラーリを応援すること、それがイタリアのF1
大型テレビにフェラーリが映るごとに、そしてミハエル・シューマッハなどフェラーリ関係者の姿が映し出されるたびに、ティフォシたちのエアホーンが鳴り響く。そう、彼らははフェラーリの一挙手一投足を見逃さない。多くのファンはフェラーリのアクションだけを見るためだけにサーキットへ来ていると言っても過言ではないのだ。裏側のコーナーにフェラーリのマシンがやってくるとエアホーンがまるでウェーブのように近づいてくるので、エンジン音よりもエアホーンの音だけでフェラーリが来たと分かるから面白い。