ハイテクの時代が到来!レースの戦い方が変わった。
80年代後半から90年代にかけてF1はテクノロジーの時代となっていきます。市販車から飛行機まで、レースとは別の分野のテクノロジーがどんどんとマシン作りに導入されていきました。マシンのデザインひとつをとっても風洞施設を使用しての空力実験が多用され、コンピューターやセンサーを利用してマシンの様々な動きや事象がデータで管理されるようになったのです。実戦部隊とは別にテスト部隊が登場し、レースドライバーとは別にテスト走行専門のドライバーがチームに雇われるようになったのもこの頃です。
F1ブーム絶頂期のマクラーレンMP4/6 最も美しいF1マシンの一つだ。(写真提供:本田技研工業) |
80年代後半、ホンダはF1においてもV6ターボエンジンで圧倒的な強さを見せ付けました。結果、ターボエンジンを締め出す形で過給器の取り付けが禁止され、F1は3500cc時代に突入していくことになります。ターボを失ってもホンダはV10, V12と強力なエンジンをもって勝利を重ねていきます。
エンジンの状態をリアルタイムでコンピュータ監視するテレメトリーシステムをサーキットに持ち込み、レースそのものの戦い方まで変えたのがホンダでした。そう、もはやドライバーが「エイ、ヤー」という勢いだけで何とかなる時代では無くなって行ったのです。
そして勝利に勝利を重ねたホンダは93年をもって、エンジンサプライヤーとしての第ニ期F1活動を終えました。