インパイアがフルモデルチェンジを行った。「凄い!」と思ったのが『CMS』と呼ばれる追突低減ブレーキ。このシステム、大型トラックなどにも応用出来る。先日も愛知県の東名高速で、ノーブレーキの大型トラックが渋滞のため停止していた乗用車に追突。死傷者を出すという痛ましい事故が発生したけれど、追突低減ブレーキさえあれば、事故の大半を防止出来ることだろう。

もう少し詳しく紹介しよう。追突低減システムは3つの「段階」に分かれている。脇見などをしていて渋滞のノロノロ走行の最後尾へ接近した、と考えて欲しい。車載のレーダー(航空機にも使われる本格的な性能を持つ)が100mくらいの距離で最後尾を認知。

危険と思われる速度で接近していくと「ピーピー!」という警報ブザーと同時にメーターパネルの中央部のディスプレイに『BRAKE』というオレンジ色の表示を出す。これだけでも普通の「よそ見」であれば十分な効果。警報ブザーに気づかずブレーキを掛けないまま接近すると、今度は警報ブザーと表示の他、ベレーキペダルに足を乗せていないくても自動的に軽いブレーキを掛ける。同時にシートベルトを「グイ! グイ! グイ!」と引き込む。引き込む力は予想していた以上に強い。資料を読むと「弱い」と書いてある自動ブレーキも、信号で停止する時の減速感と同等だった。この段階でブレーキペダルを踏めば、まだ安全に停止可能。

第2段階の「警告」は強力である。万一居眠りしていたって、シートベルトが引き込まれれば「もしもし!」と肩を揺すられば起きる。ブレーキが掛かっていることにも気づくだろう。居眠り運転による追突事故の防止に絶大な効果を発揮すると思う。

それでもブレーキペダルを踏まなかった場合、クルマは衝突を前提とした第3段階の対応に入る。”ほぼ”急ブレーキと考えていい強いブレーキを掛け、シートベルトは衝突に備えて強く引き込む。ちなみにこの段階でブレーキペダルを踏んでも、間に合う可能性を残す。しかもペダルさえ踏めば「ブレーキアシスト」(踏む力の強弱に関わりなくフルブレーキとなる)がスタンバイしているから、一段と心強い。


インスパイアというクルマ自体はアメリカで売られている『アコード』である。日本仕様のアコードより一回り大きなボディに、3リッターV6エンジンを搭載するホンダの上級セダンで、価格は270万円から350万円まで。衝突低減ブレーキを標準装備する最上級グレードの『アヴァンツァーレ』は高級感たっぷり。

エンジンもホンダらしく意欲的だ。通常は6気筒なのだが、アクセルをあまり開けない高速道路の一定速巡航などで半分休止させ、3気筒としている。高速道路を90km巡航してみたところ、リッター当たり15.4kmも走った。以上、とても良いクルマだと思うけれど、最近のホンダ車に共通する「趣味性の薄さ」がインスパイアにもありました。

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