MITSUBISHI(三菱自動車)/三菱

後発となるコルトがライバルより優れている点は? コルトとライバルを比較!

コルトは三菱の期待を一身に背負ってデビューしてきた。激戦のコンパクトカー市場で、フィットやデミオに勝るところはあるのか?

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド


最大のライバルとなるホンダ・フィット
コルトは三菱の期待を一身に背負ってデビューしてきた。コルトが売れなければ、三菱の再建計画自体見直しを迫られるからだ。どのくらい売れればいいか? 短期的に1万台以上。1年スパンで見ても6千台以上売れて欲しいところ。となると気になるのがクルマの魅力度である。早速チェックしてみよう。室内の広さはフィットにこそ届いていないものの、必要にして十分。リアシートの足下スペースに出っ張りあるなど気になる点あるが、大柄な男性4人乗って苦にならない広さ。フィットに次ぐクラス2番手といった評価をしておく。広さもさることながら、インテリアの質感も重視したそうな。ちなみに価格設定はフィットやデミオと全く同じ。

動力性能はクラストップ! フィットも同じCVTを使うものの、スタート用にトルクコンバーター使う(フィットは電子制御の油圧クラッチ)。コストアップの要因になるが、やっぱりトルコンはスタートダッシュで有利(走り初めから5mの加速)。同じクラスのデミオもトルコンATを使うけれど、70?も軽いためやっぱり勝てない。気になる燃費は、1300?の10・15モードで20?/L。フィットの23?/Lに負けているが「エアコンなど使う実用燃費ならクラストップです」とのこと。これ、近々実走行テストしてフィットと勝負させてみたいと思う。コンパクトカークラスを買うユーザーにとって、燃費は動力性能と同じくらい重要。

走りに定評があるのはマツダ・デミオ
ハンドリングもチェックしてみた。この分野で最も高い評価を受けているのはデミオ。デミオに乗るとコンパクトカーの中で圧倒的に楽しいのだ。とにかく気持ちよく曲がってくれるし、シャープ。コルトに乗ると「なるほど!」である。デミオのように楽しさを狙ったクルマじゃない。かといってマーチやヴィッツみたいにグニャグニャでも無し。おそらくバランスの良さを狙ったんだと思う。乗り心地やコーナリング、限界特性、楽しさなど、全てを80点くらいで仕上げようとした、ということ。これを持って「キャラが薄い」と判断するか「バランス取れている」と判断するか、人によって違う。ただ多くのユーザーからは歓迎されるんじゃなかろうか。

開発陣によれば「コルトで最も評価して貰いたいのがデザインと品質感です。この二つは一等賞をとるべく頑張りました」。個人的にはフロントグリル中央のボリュームが大きすぎるの除き(けっこう不評。この部分はブーレイ氏というダイムラーからやってきたデザイナーが強引に手直したそうな。オリジナルのデザインのままなら良かったのに)、なかなか良いと思う。果たしてコルト、売れるだろうか? このジャンルで売るためにはデザインやクルマとしての仕上がりと同じくらいイメージ戦略が重要。クルマは強い個性を持たないのを除き十分ライバルに対向出来る仕上がりを持つ。販売戦略さえキッチリ考えれば、きっと期待通り売れるだろう。
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