今年のレディスウォッチは、パステルトーンのカラーストラップや、ピンクやブルーに色を着けた真珠母貝(マザー・オブ・パール)のダイアル(文字盤)が多く見受けられました。ぼんやりしたあいまいな色みを、上手に品よく料理した各ブランドの手腕は、やはりさすが。
まず〈ショーメ〉では、スポーツウォッチ「Class One」に新たなジュエリーラインが仲間入り。ピンクを基調にした甘口のフェイスもいいけれど、ブラックダイヤモンドにナチュラルの真珠母貝ダイアルを組み合わせた辛口フェイスも捨てがたいもの。どちらのデザインも「今の気分」にぴったりです。
真珠母貝のダイアルがひと際目を引いていたのは〈オメガ〉の「Constellation Quadra」も同様。ダイアルはイエロー、シルバーグレイ、パープル、ピンク、ホワイトの各色が揃い、サテン調のストラップとカラーコーディネイトされています。「Speedmaster Automatic with Diamonds」も、しっとりとした真珠母貝とグレーのストラップが上品にマッチ。
人気の「Avenue Collection」に“スウィングセコンド”と呼ばれる新しい機能をプラスしたのが〈ハリー・ウィンストン〉。秒針が30秒の位置までくると、今度は0秒の位置に向けて戻っていくのです。一般的なレトログラードのように、針が0秒までいっきに飛ぶのではなく、行ったりきたりするところが何ともキュート。これは実はすごい機能なのですよ。
「Avenue Collection」“スウィングセコンド”
■ハリー・ウィンストンのホームページ
また、思わず脱帽したのは〈ショパール〉 の遊び心。ダイアルの中でダイヤモンドが自由に動く「Happy Sports」シリーズの新作は、その名も「Happy Beach」。ダイアルの中には、何と、カラフルなサファイアの魚が泳いでいます。10気圧防水で、ストラップは天然ラバー。ビーチリゾートがぐっと贅沢になる、夏のリストウォッチです。
一方〈ロンジン〉は、真っ白なストラップで夏を演出。「Dolce Vita Diamond Collections」は、ホワイトゴールドやピンクゴールドのケースに、白のレザーストラップがまぶしいばかり。ブレスレットタイプほどドレッシーにならないので、普段づかいも楽しめます。
最後に〈エルメス〉。ストラップが自由に取り替えられる「Belt」に、やや小ぶりな「Mini」が登場しました。ケースは26×22mmで、日本人にとってはいっそう着けやすいサイズに。カーフ、クロコ、オーストリッチなど、レザーストラップ各種が充実しているところは、さすが〈エルメス〉。革にこだわるブランドだけに、上質なものばかりです。