流行色から見る、“80'sブーム”
“80’s”は、VOGUE NIPPON (ヴォーグ ニッポン)2009年12月号のキーワードの1つ |
そこで今回は、財団法人日本ファッション協会 流行色情報センター(以下JAFCA)の広報ご担当、大野礼子さんに、“80'sブーム”や流行色についてお話をお伺いしました。
【CONTENTS】
Page1:流行色から見る、“80'sブーム”
Page2:流行色情報が発信される仕組み
Page3:東京発!2011年秋冬トレンドカラー情報
ガイド松本
「流行色」や「流行現象」は、世相・世情・世態など、うつり変わる世の中の状態と無縁ではないでしょう。今なぜ、“80'sブーム”なのでしょうか?
80年代を象徴するスター、マイケル・ジャクソン。BADバッド(紙ジャケット仕様)[Limited Edition]マイケル・ジャクソン |
80年代というのは、個性的なファッションブランドが台頭しDCブームが起こったり、パソコンやテレビゲームが普及しはじめるなど、新しいものがどんどん登場するような非常に活気がある時代でした。
数年前からデザイナーコレクションでも80年代調をテーマにとりあげることが増えていましたが、ここ数年で大きなブームに拡大したと思います。徐々に80年代のスタイルが受け入れられる土壌ができてきたのだと思います。
80年代と現代では、素材や色表現のテクニックが格段に進歩し、シルエットも洗練されています。ELLE JAPON(エル・ジャポン)2009年12月号 |
ただし、今人気の80年代は大きな肩パッド入りのスーツといったものではなく、あくまでもカジュアルなストリートスタイルが中心になっていると思われます。
私たちは時代のムードや生活者の気持ちをとらえて流行色を選定していますが、カラーの点からみても、80年代カラーといわれる、白、グレー、黒のモノトーンや、鮮やかなビビッドカラーは、元気で希望のあった時代を象徴しています。
不況が続き、元気のない今、明るいもの、元気なもの、夢のあるものを求める気持ちが高まり、そこに80年調のテーストがフィットしたのだと思います。
過去の80年代調が復活といっても、そのままではありません。過去と現代では、素材や色表現のテクニックが格段に進歩しています。シルエットも洗練され、素材も軽く、手の込んだものになり、色も透明感のある美しい色を表現することが可能になっています。着こなす生活者のセンスも格段と洗練されているのではないでしょうか。
⇒⇒引き続き、流行色情報が発信される仕組みについて、お話をお伺いしました。