肌色に合う色、見え方の違い
夏の日差しに映える、色鮮やかなファッションアイテム。一般的に、鮮やかな色を身につけると、肌の色みが増して艶やかに見えます。しかし、肌色との相性には良し悪しがあり、必ずしもあなたを美しく見せてくれるとは限りません。記事「肌色をきれいに見せるカラーコーディネート」で、ご紹介したように、隣り合う色の組み合わせ方によって、色の見え方は変化します。
身につけるファッションアイテムの色によって、肌がくすんで見えることもあれば、反対に透明感がアップして見えたり、血色よく見えることも。そこで、今回は、3つの肌色サンプルと10色相から鮮やかな色を組み合わせて、30通りの配色例をつくりました。肌色の見え方の違いを確認して、鮮やかな色を上手に着こなしましょう!
3つの肌色サンプル
配色例につかう肌色は、「ピンク系の肌色(2.5YR 7.0 /4.0)」「ナチュラル系の肌色(5.0YR 7.0 / 4.0)」「オークル系の肌色(7.5YR 7.0 /4.0)」の3種類。YRという記号は、黄赤(オレンジ色)の色相を表しており、2.5YRは赤の色相に近く、7.5YRは黄色の色相に近いことを示しています。YRの右側の2つの数値は、明るさの度合い(明度)と鮮やかさの度合い(彩度)を示しています。肌色とは、うすいオレンジ、明るい灰みのオレンジと言い換えることもできます。
それでは、配色例をご覧ください。
赤(ルージュ)、オレンジ(マンダリン)
上段は赤(ルージュ)、下段はオレンジ(マンダリン)と3つの肌色の配色例です。赤とオレンジを比較すると、赤は肌色から色みを引くのに対して、オレンジは肌色の色みを増して血色よく見せます。どちらが好ましい印象になるのか、3つの肌色をチェックしましょう。
左側のピンク系の肌色は、赤は肌の透明感が上がり、オレンジは肌の赤みが強調されます。どちらかといえば、赤の方が好ましい印象を与えるのではないでしょうか。
中央のナチュラル系の肌色は、赤は色白に、オレンジは健康的な肌色に見えます。甲乙つけがたいので、お好みで選ばれるとよいでしょう。
右側のオークル系の肌色は、赤は血色が悪く見え、オレンジは健康的な肌色に見えます。どちらかといえば、オレンジの方が好ましい印象を与えるのではないでしょうか。
黄(サフラン)、黄緑(シャルトルーズ)
上段は黄(サフラン)、下段は黄緑(シャルトルーズ)と3つの肌色の配色例です。有彩色の中でも明るい黄色や黄緑はは、肌を明るく白く見せます。黄色と黄緑を比較すると、肌の色みに関わらず、黄色の方が肌の透明感を上げる効果が高く、肌色との境界がすっきり見えます。
緑(エメラルド)、青緑(ターコイズ)
上段は緑(エメラルド)、下段は青緑(ターコイズ)と3つの肌色の配色例です。緑や青緑は、肌の赤みと補色の関係なので、肌を血色よく見せる効果があります。緑と青緑を比較すると、緑の方が肌の色みを増して血色よく見せる効果が高い反面、肌色によっては、肌の黄みが強く出たり、肌がくすんで見えることも。青緑は肌の色みを引いてすっきりとした印象を与えますが、肌色によっては血色が悪く見えることもあります。
左側のピンク系の肌色、中央のナチュラル系の肌色は、緑と青緑、甲乙つけがたいですが、緑の方がやや血色よく、色白に見えます。右側のオークル系の肌色も同様ですが、緑の方が全体的に調和のとれた配色となっているのではないでしょうか。
青(スカイブルー)、紫青(サルビア)
上段は青(スカイブルー)、下段は紫青(サルビア)と3つの肌色の配色例です。青や紫青は、肌色(オレンジ系)と明度差が大きいため、肌色との境界をすっきり見せる効果があります。ピンク系の肌色は、肌の赤みがやや強調され、オークル系の肌色は、肌色がややくすんで見えますが、全般的に肌色の対比関係が心地よく、調和のとれた配色となっています。
紫(モーブ)、赤紫(ローズ)
上段は紫(モーブ)、下段は赤紫(ローズ)と3つの肌色の配色例です。紫や赤紫は、肌の赤みを含んでいるので、肌を血色よく見せる効果があります。紫と赤紫を比較すると、紫の方が肌色との明度差が大きいため、肌色との境界がすっきり見えます。全体的に調和のとれた配色となっているのではないでしょうか。
今回は、3つの肌色の色見本と10色相からきれいな色との配色例をご紹介しました。鮮やかな色を身につけると、気分的にも華やぎますが、あなたの自身の肌色と調和しているかどうかを見極めることも大切です。「肌色がきれいに見える」ことは、似合うかどうかの判断材料のひとつです。ぜひ、「肌色を美しく見せる色」を手に入れて、バランスのとれた着こなしを楽しんでみませんか?
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