グランプリ:ホンダ「FCXクラリティ」
スターガーネットメタリック×ウォームグレー
燃料電池車、量産車の第一歩。世界初となる新規開発の顔料を使用し、従来にない塗装の深みと深紅のハイライトを両立し、次世代の上質感を表現しています。
ガイド松本:
今年は、例えばグリーンのようないわゆるエコ・カラーではない色で「エコ」を表現した、ホンダ「FCXクラリティ」がグランプリを受賞しましたね。
大野さん:
今回グランプリを受賞したホンダの「FCXクラリティ」は、ガーネットをイメージした、透明感のある非常に美しい色です。ガーネットは宝石で、つまり自然物でもあるのです。今注目のエコカーである燃料電池車「FCXクラリティ」に、こうした完成度の高い美しい色を採用したことは、今後のエコカラーの方向を示唆するものであると、高い評価を得ました。
どのような商品であっても、今や「エコ」を意識せずに商品開発を行うことはできません。特に自動車のカラーデザインにおいて、「エコ」を表現するカラーというのは非常に重要なポイントになっています。昨年は特に、植物のイメージに直結し、エコをストレートに表現するグリーンがエコカラーとして注目されました。そしてさらに次代のエコを表現するカラーを各社とも模索しています。
インテリアはバイオファブリックを使用したグレーです。
松本:
このような「エコカラー」の深化ともいえる傾向について、他のデザイン領域との関係をどのようにご覧になっていますか?
大野さん:
以前トレンドカラーは、ファッションから始まり、その後にインテリアや家電、自動車などに伝播していくといわれていました。しかし現在、自動車業界は先行きのカラーについて熱心に研究しており、今や自動車のカラーがもっとも進んでいるともいわれています。当然家電商品などとも影響しあっていると思いますし、今後電気自動車が一般化するにつれて自動車が家電化し、さらに家電商品とのリンクした動きもみられてくるのではないでしょうか。
松本:
エンジンではなくモーターで駆動する燃料電池車は、従来のガソリン車とは異なる新しい価値の提供が求められます。カラーデザインの考え方はどのように変化していますか?
大野さん:
エコカーが主流になるにつれ、いままでのメカイメージの強かったガソリン車とは、自動車の概念が変わってきます。先ほども「家電化」という言葉を使いましたが、生活の中の道具として、よりパーソナルなものに近づいてい
きます。時代背景を反映するのはもちろんですし、もっと人間の感情に寄り添うものになっていくのではないでしょうか。
⇒引き続き、「ファッションカラー賞」を受賞した日産「キューブ」についてお話をお伺いします!
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