カメラアングルで見せる、俳優の身体
企業名:大正製薬 商品名:リポビタンD タイトル「丸太梯子」篇 ケイン・コスギ、滝川英治(2004年) |
松本:
リポビタンDのCMは、俳優の鍛えられた身体も、重要な要素ですね。
吉田さん:
その通りです。崖を下から見上げるアングルでは、足の筋肉を強調し、崖の上から見下ろすアングルでは表情と腕の筋肉を強調します。特に筋肉は引っ張る動作で緊張が生まれますから、梯子を掴んでは登るというアクションは全身の躍動感という意味においてぴったりの設定なのです。
企業名:大正製薬 商品名:リポビタンD タイトル「丸太梯子」篇 ケイン・コスギ、滝川英治(2004年) |
松本:
背景や衣装の色との関係が、俳優の身体を際立たせていると思います。色彩構成はどんな工夫をなさいましたか?
吉田さん:
崖や梯子の荒縄、丸太が茶色系ですから、その中でケインコスギ氏の衣装は赤系カットソーに黒いパンツ、リュックは黒と赤のツートーン。トレッキングシューズは黒をベースに赤ライン。そして相棒の滝川栄治氏は黄土色のカットソーにカーキ色のパンツ。カーキ色のリュックにカーキ色のトレッキングシューズ。
このCMのように冒険色の強いアドベンチャーシーンでは、ポップな配色を避け、自然の中にあるアースカラーを基調にして、一番強調したいケイン氏の上半身に赤系を配色するという色彩構成です。
引き続き、オーストラリアで撮影された「マリンブルー」編を例に、ストーリー展開と色彩構成の関係について、お話を伺いました。
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