CONTENTS
その1:帯といえば博多
その2:五色献上から広がるカラーバリエーション
その3:手織りの魅力
その4:リアルクローズへのチャレンジ
五色献上から広がるカラーバリエーション
博多織の伝統「献上柄」は、独鈷(どっこ)、華皿(はなざら)、親子縞という独特のモチーフでで構成されます。 撮影:太田耕二 |
博多織を代表する「献上柄」。独鈷(どっこ:真言宗で使用する煩悩を打ち抜く法具)と華皿(はなざら:法要のときに散布する花を盛る器)といういずれも仏具をモチーフに、親と子を表す親子縞と孝行縞という縞模様で構成されます。江戸時代、黒田藩に統治されていた博多は、藩主・黒田長政が江戸幕府への献上品に指定し、品質を保つため、生産や技術に関して厳しく管理・統制していました。「五色献上」は、紫、青、赤、黄、紺の古式染色によるもので、紫は徳、青は仁、赤は礼、黄は信、智は紺をそれぞれ象徴しているとされます。
博多織は先染めのため、「岡野」の工房には、常時、600色以上の糸のストックがあります。 撮影:太田耕二 |
現代に引き継がれた「献上柄」は、伝統的な五色に限らず、さまざまな色が使われています。「岡野」の工房には、常時、600色以上の色のストックがあります。
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