帯といえば博多
111年の歴史をもつ博多織の織元「岡野」が展開するショップ「きもの博多一十」にて。写真右は店長・角彰浩さん。「博多織の良さを伝えるために、勉強会など、さまざまな企画を行っています。」 撮影:太田耕二 |
雑誌「和楽」などの影響で、洋服に近い感覚で着物をお召しになる方が増えてきているようです。派手な色柄のイベント着としての浴衣から、ワンランク上の着物を着こなしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。着物の着こなしは帯で決まります。そして、帯といえば博多。経糸(たていと)が多いという織りの特徴から、きちんと締まり、崩れにくい帯であるという機能面に加えて、博多織のモダンなテイストは、新しい着物の着こなしの中で注目を集めています。そこで、今回は、博多織の織元で、お話を伺いました。
CONTENTS
その1:帯といえば博多
その2:五色献上から広がるカラーバリエーション
その3:手織りの魅力
その4:リアルクローズへのチャレンジ
博多織の意匠(デザイン)
創業1897年の博多織元「岡野」の工房にて。岡野には、意匠(デザイン)部があり、独自のデザインを生み出しています。 撮影:太田耕二 |
博多織の歴史は古く、1240年頃、宋(現在の中国)から持ち帰った織物を研究し、独自の織りの技術と文様が生み出されたといわれています。当時(鎌倉時代)は、衣を幾重にも重ねて着る着方で、現在のような帯を締めるスタイルではありませんでした。江戸時代の頃から、帯を締める着方になり、博多織は主に帯を生産するようになりました。現在は、さまざまな色・柄の帯が生産されています。
次のページでは、博多織の伝統の色・柄、五色献上をご紹介します!