「2007夏 あなたが着たい浴衣はどんな色?」最も人気を集めたのは、藍色。約半数の人々が支持しています。 |
2007年6月、あなたの一票「2007夏 あなたが着たい浴衣はどんな色?」を実施しました。アンケート結果は上記のとおり、半数以上の方が藍色を支持しています。
今回は、記事「伝統とモダンの融合~26歳からの夏着物」に引き続き、浴衣や夏着物とのコーディネートにおすすめしたい、藍染の日傘をご紹介します!
藍染のUVカット率は99%!!
伝統工芸をリ・デザインした藍染の日傘。大量生産できないだけに、ハンドメイドの味わいとクオリティの高さが魅力です。 |
夏を象徴する和の伝統色、藍色は、特に人気の高い色のひとつ。藍色は、青より濃く、紺より淡い色。江戸時代には、「いき」な色として、町人の着物の色として愛されていました。
藍染といっても、さまざまな色があります。従来から、特に黒っぽい生地がUVカットに優れていると言われていましたが、実際に検査をしたところ、UVカット率が99%!!
※(株)久留米リサーチパーク及び福岡県工業技術センター立証済み
地球温暖化などで地球全体が環境問題に敏感になっている最近、何か健康に関して生活の中に久留米絣も貢献出来ないだろうかという思いから、久留米絣の日傘が生まれたそうです。
この日傘は、強靱かつ軽量のカーボンを骨に使用し、ハンドルは手彫りの木(茶色で統一)で高級感を演出。200年続いている伝統工芸品である久留米絣をテキスタイルとして、従来にないプロダクト(日傘)に活用し、新たな商品製と市場を開拓しながら、伝統継承を図っていることなどが評価されて、2002年度グッドデザイン賞を受賞しています。
染と織の伝統、久留米絣
伝統柄・市松矢絣。浴衣や夏着物でお出かけの際は、日傘もコーディネートしましょう。 |
藍の種類や染め方は、世界各地で少しずつ異なり、日本では、タデ科の藍、つまり蓼藍(たであい)の葉がその染料とされてきました。熟練した染職人は、藍汁を舌で舐め、藍の状態を判断するそうです。
染織の基本は、糸を染めてから織る「先染め」と、布の状態で染める「後染め」ですが、伝統的な藍の染織のひとつ、「筑後もめん」は、糸を仮織することから始まります。仮織したものを二度染め、その布の緯糸 (よこいと)をほどいていくと、藍色に染まった部分と染まらずに白く残った部分が交互に現れる、美しい縞模様が入った糸になります。この糸をもう一度布の状態に織り上げると、「先染め」や「後染め」では表現することのできない、趣のある藍色が生まれるのです。
伝統的な染織の技法「絣」は、まず、図案を方眼紙のような専用の用紙に書き、経緯(たてよこ)の糸の本数の配分を決めます。
次に、下絵の上に糸をはり、糸の柄の部分に印をつけて行きます。柄の部分に染料が入らないように、糸でぐるぐると縛る「括り」という工程を経て、染の工程を行うと、括った部分だけが、染まらずに残ります。
経緯(たてよこ)の糸を、熟練した職人たちの手で織り上げていくと、図案が布の上に再現されるのです。
伝統工芸品は大量生産できないだけに、ハンドメイドの味わいとクオリティの高さが魅力です。夏着物や浴衣でお出かけの際は、日傘もコーディネートしてみませんか?
【取材協力】
久留米絣工房 かすりの里坂田織物
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