年金

年金制度、今後どうなるの?

8月の総選挙の結果、9月に誕生した新政権。新政権のもと年金制度は今後どのような改正が実施されるのか、民主党マニフェストから予想します。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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政権が交代し、年金問題は今後どんな展開を見せるのか?
8月30日に実施された第45回衆議院議員選挙の結果、民主党が308議席を獲得、9月16日には民主党・社民党・国民新党の連立政権が誕生し、政権交代となりました。選挙期間中から、民主党はマニフェストの中で独自の年金制度改革を訴えていました。今回は、民主党マニフェストが実現した場合年金制度がどうなるのか、また自民党政権時に廃案となった年金制度改正がどのような内容だったのかご案内します。

<INDEX>
年金制度を変える~民主党マニフェストより
年金記録被害者への迅速な補償
一元化で公平な年金制度へ

 

年金制度を変える~民主党マニフェストより

民主党マニフェストに掲げられた年金制度の改正案は以下のようなものがあります。
  • 年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で「一括補償」を実施する
  • 年金受給者の税負担の軽減
  • 年金保険料の流用を禁止する
  • 一元化で公平な年金制度へ
  • 歳入庁を創設する
「年金受給者の税負担の軽減」は2004年度の税制改正で縮小された公的年金等控除を改正前の水準に戻すことと、同じ年の税制改正で廃止された老年者控除を復活させることを目指しています。公的年金等控除の水準が改正前の水準になると65歳以上の人の最低保証が120万円から140万円に、老年者控除が復活すると65歳以上の人は1人につき50万円の所得控除を受けることができます。

ただし、両控除の適用に所得制限を設けることで適用される年金受給者の範囲を特定するというものです。年金受給者の税負担の軽減は高齢者世代にとっては大きなメリットがありますが、今後ますます少子高齢化が進むと予想される中、高齢者を支える現役世代の理解を得られるか課題が残るでしょう。

「年金保険料の流用を禁止する」は、年金保険料の一部を国民年金の年金福祉施設や厚生年金のグリーンピアの事務費・広報費などに充てることを禁止し、保険料収入の全額を年金給付の財源に充てることを定める改正案です。

「歳入庁を創設する」は、現在の社会保険庁を国税庁と一体化し、税金と保険料の徴収を一体的に行うことを目的としています。そして、税金と保険料の計算の基礎となる所得を確実に把握するために、番号を導入するというものです。

以上3点の改正案は税制改正や予算編成、行政組織の見直しを行うものです。それ以外の改正案である「年金記録被害者への迅速な補償のため、一定の基準の下で『一括補償』を実施する」と「一元化で公平な年金制度へ」の2点をみていきましょう。

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