「どうして皆そんなに英語を勉強したいの?その気持ちがわからない。」
この言葉を言ったのは日本語と英語が堪能な、とあるバイリンガル日本人。そしてそこに同席していたオーストラリア人の高校生はこう言います。
「日本人は異常だ。英語なんてきれいな言葉じゃないのに。どうしてそんなに英語、英語って言うの?」
彼らには日本の英語教育の過熱ぶりがおかしくうつるらしいようです。私はバイリンガル達に「どうして?」と尋ねられてすぐには答えられませんでした。答えがいろいろあったからです。
外国人と英語でコミュニケーションが取れると単純に「うれしい!」と思いませんか?それは、異文化を持つ人との交流が楽しいと感じ、言葉が通じない人とコミュニケーションが取れるとうれしいと思うからでしょう。そして自分の英語が相手に伝わって、意思の疎通があれば、お互いが理解できてうれしい・・などメリットがたくさんあるからです。
日英バイリンガルな人には「英語のコミュニケーションの楽しさ」が理解できないようです。つまり、自分の英語が相手に通じて、お互いの気持ちが理解できたあの瞬間の喜びが彼らにはないのです。
少し話が脱線しますが、犬の気持ちが分かるバウリンガルという人気商品があります。おもちゃメーカーの(株)タカラが販売しているもので、犬の首に付けて、犬の鳴き声を認知して気持ちを読み取る装置です。そもそもこれは「犬の気持ちを知りたい」という人間の欲求から生まれたものです。当然ながら犬と人間の間には共通語はありませんよね。しかしなんとしても犬の気持ちを知り、その欲求に応えてあげたいという飼い主の切なる願いがそこにはあるのです。
ふつう、人間と犬のコミュニケーションは言葉ではなく、心と心の交流がメインとなってくるでしょう。それをあえて犬語翻訳機で、気持ちを知ろうとする人間側の期待というか、「もっと気持ちを知りたい」という欲求は人間同士のコミュニケーションの欲求と似ています。付き合って間もない恋人同士が、お互いのことをもっと知りたいと思うのと同じことですよね。
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