<詰め込み英語は言語障害の素?>
タイトルを見て、「えっ!?」と思った方、いらっしゃいませんか?今回は私の知人で、子どもの英語教育に熱心なTさん夫妻のケースをご紹介しましょう。
■たいへん!子どもが言葉を発しない!!
子どもの英語教育に熱心なTさん夫妻。お二人ともバイリンガルではありませんが、英会話は堪能で、子どもを授かったときから、
「よぉし、英語と日本語のバイリンガルにするぞ!」
とはりきっていました。もちろん、生まれてすぐに“子どもへの語りかけを全て英語”にした英語教育をスタートさせたのです。
ところが、子どもが2歳、3歳になっても英語どころか日本語すらまったく話さない!
「この子は何かおかしい・・。何かの障害なのか、病気なのか?」
心配になって医師に相談したTさん夫妻は、この言葉を聞いて愕然としました。
「言語障害の原因は、その英語教育にありますね。直ちにそんなことは止めてください!」
Tさん夫妻はショックを受けました。バイリンガルへの夢が崩れ去ったのです。自分たちのやってきた英語の語りかけが子どもに悪影響を与えていたなんて思いもしなかったからです。
その後、Tさん夫妻は話し合い、英語での語りかけを止めました。そして日本語で語りかけるようになると、子どもがスラスラと日本語を話すようになり、一時の言語障害が瞬く間に治ってしまいました。夫妻はその後一度も子どもに英語で語りかけるようなことはなく、子どもは立派に成人しています。普通に英語教育を受け、普通レベルの英語の知識を持っていますが、当然のことながらバイリンガルではありません。
結局何がいけなかったのでしょうか?言語障害になってしまった理由として考えられる点がいくつかあります。まず、両親ともに“英語の語りかけ”が徹底されていなかった点でしょう。子どもへの語りかけは英語でも、夫婦の会話は日本語。お二人とも完璧なバイリンガルではないので、英語での語りかけにどのくらい感情を込めることができたかという事も関係するかもしれません。子どもを取り囲む環境では、圧倒的に日本語を聞く機会が多かったのに対し、親が時々話す中途半端な英語の語りかけに混乱をしていたとも考えられます。
もしその後も英語の語りかけを続けていたら言語障害になったままなのでしょうか?私はそうは思いません。いずれ転換期が来て、日本語と英語を使い分けることができるでしょう。
それでは次ページにて、成功事例を紹介しましょう。
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