感想は「このレッスンの感想」としよう。久埜先生の行なうレッスンのうちのほんの一部を見学したにすぎないからだ。
私が気になったのは子供たちが姿勢を何度も直している点。確かに集中しなければ英語なんてとうてい身に付くはずがない。集中して聞くことができればそれだけの忍耐と英語学習への姿勢が身に付く。しかしながら、授業の途中でもいいから少し立って歩き回る活動も欲しかった。場面が切り替わる時が動くチャンスだったのではないかと思う。
見学した私も他の先生も「ひたすら聞く英語」の授業に疲れた。なぜだかわからないが本当に終了後にどっと疲れてしまった。それだけ一生懸命集中していたのだと思うがシャワーのように浴びるというのは子供たちには平気な事なのだろう。しかし、子供たちの感想を聞くと「疲れた」もある。やはり私たち大人だけでなく子供たちもひたすら聞く「このレッスン」は疲れたようだ。
久埜先生は彼女の独特のキャラクターがとてもレッスンに活きている。少し、お茶目でかわいい声の持ち主であり、さらにユーモアのセンスも一流である。子供たちの笑いを誘うテクニックもごく自然に出てくる。久埜パフォーマンスは誰にも真似できないものである。
他の見学した先生方の意見を聞いてみた。「子供ってあの英語が分かるんだと認識した。子供ってすごい。」「ちょっと難しすぎるのでは?子供に定着させるためには異なるアプローチも必要だろう。」「日本の子供にひたすら聞かせるだけでは定着しないと思う。」「私たち担任にはあの真似はできない。」などいろいろであった。久埜先生の指導はやはり彼女だけのものである。私は久埜先生のユーモアセンスをぜひ見習いたいと思う。子供たちとのやりとりは教師にとっても楽しい。その中で英語のコミュニケーションの楽しさをどのように子供たちに伝えることができるのか思案のしどころであろう。