研究されたバリアフリー子供服を丸高衣料(株)さんの「Moujonjon」で発売されることになった経緯があれば教えていただけますか?
高浦さん:私自身は洋服づくりに関しては全くの素人で、デザイナーでもなければ、パターンを引けるわけでもありません。
特に既製服を目指すにはなんとかメーカーを探し、製造については全面的にお願いする以外ありませんでした。
情報収集と平行して、子供服専門のアパレルメーカー丸高衣料さんに研究の主旨を説明したところ、サンプルも含め今後の製造についても前向きに検討して下さるとのご意向を得ることが出来ました。丸高衣料(株)さんは国内に数カ所の自家工場を持ち全て国内で製造している為、品質については非常に信頼できる子供服専門メーカーと認識している為、大変嬉しかったです。丸高衣料さんの中で、最初にご相談にのって下さったのが、「Moujonjon」(主力ブランドのひとつ)の責任者の方でした。
当初は『バリアフリー子供服』に新しいブランドをつけるといったお話も出ておりましたが、会社で製造する以上は責任を持ちたいとおっしゃって下さり、ネームバリューのあるブランドをつけることでユーザーの皆様にも安心して頂けるといった理由から、「Moujonjon」で行きましょう!ということになりました。
バリアフリー子供服を研究される上で、たくさんの親御さんの意見を聞かれたそうですが、具体的にどのような要望が多かったのでしょうか?
高浦さん:お子さんの年齢や障害の状態によって必要とする衣服のニーズは細かい点で非常に多岐に渡っていました。しかしそんな中で共通点を見出すこともできました。
親御さん皆さん日々感じておられる『我が子にカワイイ洋服を着せてあげたい。たとえ寝たきりで介護が必要であっても我が子に着せたいのは、特別な服というよりむしろ通常の洋服。でもそれに一工夫あればとても助かるのに。豊富な色柄の中から選びたい。』といった思いです。また、具体的に欲しい洋服の主な共通点は次のとおりでした。
・抱き上げる度にお腹や背中の出ないシャツ類
・股上の深いズボン類
・ オムツ替えのし易い上下つなぎの洋服
同時にアンケートに添付したデザイン画については『こんなの変!こんなの絶対着せられない!!』といった批判がかなり寄せられました。親御さんの気持を無視し、機能面を重視し過ぎた結果であると反省しました。